人生を乗り切るボード

20年以上も前のこと。
一緒にサーフィンを始めた幼なじみであり、一番の親友が、
「波に乗れるボードは作れても、人生を乗り切れるボードは作れないだろう」
と言ったことがある。
もちろん、冗談で言ったのだろうが、振り返ると、この言葉が私のシェイプに対する考え方を大きく変えたのかもしれない。

それまでもシェイプに全力を注いでいたが、乗り手の人生まで考えてシェイプをするという発想はなかった。
サーフボードは波に乗るための道具であり、いかに性能を追求するかに意識を向けていた。

しかし、「人生を乗り切るボード」と言われたとき、まず浮かんだのは、サーフィン人生をより豊かにするためのボードだった。
扱いやすく、快適で、上達を感じられるボード、そして何よりサーフィンがさらに楽しくなるボード。
天気の良い日、サーフボードに座り、海の上に浮いているだけで幸せを感じられ、簡単に波に乗れて自由自在なマニューバーが描ける、そんなボードこそが「人生を乗り切るボード」だと思った。

「どうすれば乗り手が喜ぶボードをシェイプできるか?」
「どんなボードなら、乗り手の人生を豊かにできるだろうか?」
そんな問いを抱き、その人のサーフスタイルに合った唯一のボードを作ることが、私にとってのシェイプの新たな目標となった。
性能や完成度も重要だが、何よりも乗り手にぴったり合っていることが大切だと思うようになった。

単に性能を追求するのではなく、乗り手が「これが最高だ」と思えるボードを作りたい。
その願いが、私のシェイプへの情熱となった。
いつからかシェイプは仕事ではなくなり、1日に何本シェイプしても苦ではなく、シェイプしているときは純粋に楽しく、幸せな気持ちに満たされるようになった。

サーフボードのオーダーを受ける際には、乗り手が本当に望むものを理解するのが難しい。
「今日は波、どうだった?」
「いい波、乗れた?」
OGMシェイプショップでは、そんな何気ない会話から始まり、どんな波で、どんなサーフィンをしたいのかを話すうちに理想のボードが見えてくる。

「人生を乗り切るボード」

自分の想いが詰まった、世界に一本しかない、自分だけの最高のボード。
もしかすると「マジックボード」とは、そんなボードのことなのかもしれない。

 

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