サーフィンって、結局カーブなんだよ

「サーフィンって、結局カーブなんだよ。」

これは、1987年公開のサーフィン映画
All Down the Line』の中で、若き日の Tom Carroll が、まだ子供だった Danny Wills に語った言葉です。

この映画で強く印象に残るのは、Gランドでのトム・キャロルのライン取りとレールワーク。
深いボトムターンの弧。
波のフェイスに沿って伸びていくライン。
レールを使った円運動。
そして、スピードを殺さないカービング。

サーフィンは、ただ速く走ることでも、派手な技をすることでもなく、
波のカーブと、自分の描くカーブを美しくつなげていくものなのだと、この映画は教えてくれました。

直線ではなく、カーブ。

自分は、こんなサーフィンをしたい。
そして、こんなサーフィンができるサーフボードを作りたい。

波の力を無理に押さえ込むのではなく、
波の曲線に自然に寄り添いながら、スピードとターンが途切れずにつながっていく。
そんなサーフィンに、ずっと惹かれてきました。

今、自分がサーフボードを削る時も、頭の中にあるのはやはりこの感覚です。

速さだけでもない。
動きの軽さだけでもない。

レールが波のフェイスに自然に入り、
無理なく美しいカーブを描き続けられること。

ターンをきっかけに減速するのではなく、
ターンそのものがスピードになっていく感覚。
波とぶつかるのではなく、波と調和しながら走っていく感覚。

そういうサーフィンを可能にするために、
アウトライン、ロッカー、レール、ボトム――
サーフボードのすべては存在しているのだと思っています。

今振り返ると、
自分が長い間追い続けてきたサーフィンの感覚も、
自分が削り続けたいと思っているサーフボードの方向性も、
あの映画を見た時、すでに心のどこかで決まっていたのかもしれません。

OGM “ogama” 小川昌男