クセを個性に
これは、サーフクリニックの生徒さんの成長の記録です。
今から2年前、彼のサーフィンを初めて見たときの目標は「NSA2級合格」でした。
ライディング自体は大きく崩れていませんでしたが、ターンの際にスピードが落ち、前足付近のレールが水に刺さって失速する癖がありました。
ボードがスムーズに回転せず、体が前のめりになり、レール全体が水に食い込んでしまう。
前足への荷重はうまくできているものの、ボードがなかなか回転を始めないため、荷重を抜くタイミングが掴めずにいるようでした。
ターンの際に前足に荷重できるのは、サーフィンにおいて重要なスキルです。
彼の良さを活かしながら、クセを矯正し、サーフィンが上達するボードを考えました。
彼の乗っていたボードをチェックすると、いくつか気になる点がありました。
- ノーズ寄りのレールが少し薄い
- テールロッカーが弱め
- テールのボリュームがやや厚い
どれも特別なデザインではないのですが、彼にとってはこれらがすべてノーズを沈ませる方向に働いていました。
これらの要素が重なった結果、彼のライディングに合わない特性が生まれてしまっていたのです。
そこで、彼のクセを矯正するためにシェイプしたのが次のボードです。
- GHDをベースに、ワイドポイント(W.P.)を1インチ前方へ移動
- ノーズワイド(NW)を6mm広げる
- テールワイド(TW)を5mm狭くする
- それに伴い、ボリュームのバランスもやや前方へ
「2級は手ごわいぞ」と思いながら、「うまく乗れるといいな」と期待していました。
2級合格、そして新たな目標へ
その後、彼はビデオを持って店に来たり、一緒にサーフィンをしたりする中で、少しずつ上達していきました。
そうしているうちに、なんと念願のNSA2級に合格!
よかった、よかった!
そして次のステップへ。
今回の鴨川サーフクリニックで感じたのは、彼がもうこれまでのボードを卒業するタイミングに来ているということ。
前足荷重は、今や彼のスタイルとして確立され、個性となっています。
1級を目指すための課題は、
- レールの切り返しを早くする
- ファーストターンをもう少しシャープに
- マニューバーのつながりを意識し、セクションを読む組み立てをする
そこで、新しいボードは前回の変更をほとんど元に戻しました。
余分なボリュームを省き、全体的にスッキリしたフォルムへ。
ほぼ標準的なGHDで、次は1級合格を目指します!
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