ジャッジの視点から見るスコアアップのポイント

写真 3

ジャッジの視点から、スコアアップにつながるポイントをご紹介します。

今回は、ライディングの各マニューバーがジャッジによってどのように評価されるのかを、テイクオフから順を追って解説します。

ジャッジが重視するポイントを選手が理解することで、個々のマニューバーのクオリティを向上させ、より高得点を獲得するための技術を身につけることができるでしょう。

実際のスコアアップには、マニューバー同士のつながりやライディング全体のフローも重要な要素ですが、本稿では、個々のマニューバーのクオリティ向上に焦点を当てて解説します。

なお、本記事の目的は、単にコンテストで勝つためではなく、サーフィンスキルそのものを向上させることにあります。優れたサーファーになれば、結果は自然とついてくるでしょう。また、ジャッジの方々にとっても、ジャッジングの精度を高める一助となることを期待しています。

 

テイクオフ

ライディングの最初において最も重要な要素の一つがテイクオフです。

上級クラスでは大きな差が生じにくいものの、ビギナーズクラスや一般のレディースクラスでは、高得点を得るために押さえるべきポイントがいくつかあります。

テイクオフのポジションや波の状況によって、最初のマニューバーへの移行のスムーズさが決まります。
移行が遅れたり、バランスを崩したり、波のショルダーから離れすぎた位置でのテイクオフは低評価となる傾向があります。

一方で、上級者には、スムーズなマニューバーへの移行、バランスを保ったままのコントロールされたレイトテイクオフ、さらにはカバーアップテイクオフ(テイクオフ直後からチューブへ進入する動き)などが高く評価されます。

 

ボトムターン

テイクオフの次に重要となるのがボトムターンです。

ボトムターンは、すべてのマニューバーの基礎となる動きであり、その完成度がライディング全体のクオリティに大きく影響します。

ジャッジは、ターンの大きさやポジション、波のトップへ向かう角度を基準に、スピード、パワー、コントロールを評価します。

また、スプレーの大きさ、レールの使い方、トラックの深さなどから、パワーの強さを視覚的に判断します。

ボトムターンを適切に行うことで、その後のマニューバーのクオリティも向上し、全体のスコアアップにつながる重要な要素となります。

 

リエントリー(オフザリップ)

リエントリーは、ブレイクした白波やリップにボードを当て、再び波のフェイスへ戻るトップターンのことを指します。

一般的にはオフザリップやオフザトップと呼ばれるマニューバーですが、ジャッジの世界では統一的にリエントリーとされています。

この技では、ボトムターンの深さ、波の頂点へのアプローチ角度、リップでのポジション、ボードの出し方、そして再びボトムへ向かうスピードなどが評価されます。

リエントリーは、選手の技術レベルによって難易度が大きく異なるため、得点差が顕著に表れるマニューバーの一つです。
パワーとコントロールを兼ね備えたリエントリーは高得点につながります。

 

カットバック

カットバックは、ボードのノーズをこれまで進んできた方向と逆方向に向ける動作で、ボトムターンと同様にほとんどのマニューバーの基本となります。
この動作では、スピードを維持しながら、パワーとコントロールを保ち、再び波のカール部分に戻ることが重要です。

カットバックにはさまざまなバリエーションがあり、波のカール付近で素早く行うスナップのようなものから、波のショルダーから離れた場所でレールを長く使い、安定したターンを見せるラウンドハウスカットバックまで、さまざまなアプローチがあります。

ジャッジは、スムーズさ、スピードの維持、ターンの深さ、レールの使い方などを基準にカットバックを評価します。
適切なカットバックを行うことで、波のパワーゾーンに戻り、次のマニューバーへとつなげることができます。

 

リコシェ

「リコシェ」という言葉はあまり馴染みがないかもしれませんが、これはカットバックの最後に、これまで進んできた方向の後ろ側にあるリップやスープにボードを当てて、再び波のショルダー方向に向かうマニューバーを指します。
このマニューバーでは、ボードが波のどの位置に当たっているかや、全体の動きがスムーズに行われているかが評価のポイントとなります。
リコシェ自体は単独で行われることは少なく、直前のカットバックでのスピードの速さを評価するために重要な役割を果たすマニューバーです。

 

写真 2

 

チューブライド

波がブレイクする際に形成される空間に体を隠すことで、過去から現在に至るまで最も難易度が高く、重要なマニューバーの一つとされています。
チューブライディングは、他のマニューバーとは異なり、ボードの動きよりも波とのタイミングやポジション、レールワークなどが評価の基準となります。
採点のポイントとしては、チューブの深さや滞在時間、チューブ内でのマニューバー実施の有無、さらにチューブへの入り方や出方など、クオリティの高さが重視されます。

 

エアリアル

エアリアルは、革新性と進歩性を象徴する代表的なマニューバーであり、多くのバリエーションが存在し、現在も新たなスタイルのエアリアルが次々と生み出されています。
このマニューバーの評価にはいくつかの重要な要素があります。

まず、飛び出す位置が評価のポイントとなります。
リップから飛び出したものなのか、波のバンプ(チョップ)から飛び出したものなのかによって異なり、チョップからのエアリアルは「チョップホップ」と呼ばれ、スコアが低く評価されます。
本来のエアリアルとは明確に区別されます。

次に、ランディング(着水)も非常に重要です。
ランディング後に次のターンへ繋がるスピードを維持できているか、波の後方に取り残されたり、プローンアウト(腹ばいになる)してしまったりすることは、空中での時間そのものではないものの、完成度に大きく影響し、スコアに反映されます。

そして、最も重要な要素は空中でのパフォーマンスです。
高さや回転(ローテーション)の度合い、空中での姿勢、グラブの有無など、多岐にわたる要素が評価され、非常に複雑です。

評価の基準としては以下の点が重視されます:

・波のどの位置で行われたか

・高さや回転の有無

・空中でのコントロール(姿勢、グラブの有無など)

・ランディングの完成度

 

フローター

かつて「フローター」といえば、白波の上を長く滑るだけのシンプルなマニューバーであり、スコアはそれほど高く評価されませんでした。
しかし、現代のサーファーは進化を遂げ、ホレた波のロール部分にもフローターを取り入れるようになりました。
特にクローズドアウトセクションのロール上で行うフローターは、その難易度が高く、現在では非常に高い評価を受けるマニューバーとなっています。

 

波の大きさ

波の大きさが必ずしも良い波を意味するわけではありません。
現在のジャッジ基準においては、波の大きさは評価の対象とはなりません。
ジャッジは主にマニューバーのクオリティや難易度を重視しています。

しかし、ワイメアのような特別に大きな波で行われる競技では、波のサイズが重要な要素となります。
巨大な波でテイクオフするサーファーは、最大のコミットメント(積極性)を示すとされ、ジャッジはその姿勢を高く評価します。

 

OGMでは、サーフボード、サーフクリニックなどに関する無料相談を行っております。
お気軽にお問い合わせください。


お問合せはこちら

 

 

 

 

カテゴリー: BLOG | 投稿日: | 投稿者: