「感覚で作っている」
「フィーリングを大事にしている」
サーフボードの世界では、よく聞く言葉です。
でも私は、感覚と物理は本来、対立するものではないと思っています。
むしろ、感覚とは
物理現象を人間が体で受け取った結果
ではないでしょうか。
ボードが「走った」と感じる瞬間。
ターンが「軽い」と感じる瞬間。
そこには必ず、水の流れや抵抗の変化があります。
波のフェイスでスピードが乗るのは、
水がボトムをどう流れ、どこで抜けているのか。
ターンが気持ちいいのは、
レールがどの角度で入り、どこで水を逃がしているのか。
それらはすべて、感覚の話であると同時に、
物理の話でもあります。
「理屈で作ると、つまらないボードになる」
そんな意見を聞くこともあります。
でも私は逆だと思っています。
理屈があるからこそ、
その先で“余計なことをしない”形にたどり着ける。
考え抜いた末に、
削らないという選択をすることもある。
足さないという判断をすることもある。
それは決して感覚を無視しているのではなく、
感覚を信じるための裏付けを持っている、ということです。
サーフィンは、数字や数式だけで楽しめるものではありません。
同時に、雰囲気や言葉だけで成立するものでもありません。
波の上で感じる「気持ちよさ」は、
水の中で起きている現実の結果です。
だから私は、
感覚を大切にするために、物理から目を背けたくない。
感覚を言葉にするために、形の理由を考え続けたい。
感覚と物理は、対立しない。
むしろ、深く理解し合っているものだと、私は思っています。
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