鎌倉の目の前には雄大な海が広がっていますが、その沖には正面に大島、左手に房総半島、右手には伊豆半島があり、海の大部分が陸地に囲まれた独特の地形となっています。
このため外洋からの強いうねりがそのまま入ってくることは少なく、波のサイズ自体は決して大きくはありません。
しかし、こうして狭い海峡を通って届くうねりは整流され、非常に綺麗で揃った波になります。
稲村ガ崎を中心に、その周辺に点在する七里ヶ浜のリーフブレイクは、そうした整ったうねりに正確に反応し、バラエティに富んだ、しかも非常にクオリティーの高いブレイクを生み出します。
この「正確で変化の少ない波」というのは、サーフボードの開発やテストにおいて何より重要な要素です。
デザインを変更した際、その変化がどのように乗り味に現れるのかを見極めるには、毎日コンディションの異なる波では不十分です。
一定の波だからこそ、理論と実際の乗り味を照らし合わせることができるのです。
少しのロッカー調整やボリュームの変化が、乗った瞬間に明確にわかる――それが鎌倉の波の持つ価値です。
おそらく日本でもトップクラスの「正確さ」と「美しさ」を兼ね備えたブレイクであり、シェイパーとしてこれほど信頼できるテストフィールドはありません。
私にとって鎌倉の海は、ただのホームブレイクではなく、ボードデザインを磨くために欠かせない、特別な場所です。

