シェイプをリンクさせる

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こんな経験、ありませんか?

「今日は波が大きいけど、いつも乗っている短いボードの方がしっくりくる。長いボードを使うよりもテイクオフはちょっときついけどね
本当はどんな波でも1本のサーフボードで対応できれば理想的ですが、ヒザ波とオーバーヘッドの波では、波のパワーや求められるマニューバーがまったく異なります。
すべてのサイズの波で完璧に機能するボードを作るのは簡単なことではありません。

そのため、波のサイズに応じて複数のボードを使い分ける必要が出てきます。
しかし、各ボードの乗り味が大きく異なっていたり、波のレンジ(適応範囲)が明確に割り振られていなかったりすると、スムーズな乗り換えが難しくなります。

私は、2本以上のサーフボードをまとめてオーダーされた場合、それぞれのボードの完成度はもちろん、ボード同士がスムーズに乗り換えられるよう、互いのつながりを意識したシェイプを心がけています。
単純にマシンでボードの拡大・縮小をすれば簡単だと思うかもしれませんが、そんなに甘くはありません。

マシンによる拡大・縮小は、体重の異なる2人のサーファーには有効な場合もありますが、1人のサーファーが異なるサイズの波に対応するボードを作る場合には役に立ちません。
なぜなら、ボードスピードや波のパワーの変化が考慮されていないからです。
モデルを変えることで対応することもできますが、その場合、ボード間の「つながり」は失われてしまいます。

 

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つながりを重視したシェイプには、個別のコンセプトは必要ありません。
波のサイズが変われば、ボードのスピードやターンの大きさ、マニューバの種類まで変わってきます。
小波では、波のパワーを効率良くスピードに変換することを重視してデザインしますが、大きな波では逆に、パワーをうまく逃がしながら正確にコントロールできるボードが求められます。
さらに、波をつかまえるために必要なパドル速度も変わるので、そのための浮力設計も重要です。

アウトライン、ロッカー、ボリューム配分、レールフォイル、コンケーブといった要素を、少しずつ変化させながら全体としてつながりを持たせることが、デザインには欠かせません。
1本のボードをシェイプする際には、他のボードの特性も常に意識しながらシェイプを進め、乗り味に連続性を持たせていくのです。

これが、OGMでいう「同じサーフボード」です。
形やサイズは違っても、波のサイズが変わったとき、まるで同じボードに乗っているような一貫したフィーリングを得られます。
こうして作られたサーフボードのグループは、波の大きさの変化にも柔軟に対応できます。
波が大きくなったら、ただボードをひと回り大きいものに変えるだけでOK
まるで同じボードの延長線上でライディングしている感覚です。

このように、ボード同士をリンクさせたシェイプによって、どのボードを選んでも一貫した乗り味が得られるのです。

OGMでは、サーフボード、サーフクリニックなどに関する無料相談を行っております。
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