トライとクアッドの違い

フィンセッティングで変わるサーフボードの性格

ここで述べる内容は、あくまで OGM 個人のコンセプトと見解です。
他のシェイパー・メーカー・ショップの考えを否定するものではありません。

サーフボードの性能を大きく左右する要素のひとつに、フィンセッティングがあります。

フィンはボードの中では小さなパーツですが、
その本数や配置が変わるだけで、ボードの性格は大きく変わります。

スピードの出方。
ターンの感覚。
波のラインの取り方。

同じボードでも、
トライ(3フィン)とクアッド(4フィン)では
まったく違う乗り味になることも珍しくありません。

今回は、サーフボードで最も一般的な

トライフィン(3フィン)
クアッド(4フィン)

この2つのフィンセッティングの違いについて、
シェイパーとしての視点も交えながら整理してみたいと思います。

1. トライフィン(3フィン)の特徴

現在もっともスタンダードなフィンセットで、
いわば 教科書的なオールラウンドセッティング です。

幅広いコンディションで扱いやすく、
安定したコントロール性能が魅力です。

特徴

  • 安定したドライブ感
  • コントロール性が高く、ターンの切り返しがしやすい
  • 直進性と旋回性のバランスが良い
  • パワーのある波でも安定感が高い
  • オールラウンドに対応できる定番セッティング

乗り味

トライ特有の 「軸で回す」ターン感 があり、
レールワークとピボット感のバランスが心地よいのが特徴です。

ひと言で言うと

コントロール重視。
安定したターン性能を求める方向け。

2. クアッド(4フィン)の特徴

クアッドは センターフィンが無い構造のため、
水の抵抗が少なく、スピード性能に優れたセッティングです。

特に
小波やパワーの弱い波でも走り出しが速い
という特徴があります。

特徴

  • 圧倒的な加速力
  • 小波でも走り出しが速い
  • レールホールドが強い
  • ダウンザラインのスピードが出やすい
  • ピボットターンはやや苦手

乗り味

横方向への伸びが強く、
波のラインに沿ってスピードを維持するサーフィンがしやすいのが特徴です。

ひと言で言うと

スピード重視。
横への伸びや加速感を求める方向け。

トライは「ターンで波に乗る」感覚。
クアッドは「スピードで波を走る」感覚。

3. ビッグウェーブでクアッドが増えた理由

近年、
ジョーズ・ナザレ・マーヴェリックスなどのビッグウェーブでは
クアッドセッティングが増えてきています。

その理由は、巨大な波で必要になる 高速性能と安定性 にあります。

圧倒的なスピード性能

ビッグウェーブでは

遅い = 危険

センターフィンがないことで抵抗が減り、
巨大なフェイスを滑り降りるための
強い加速力を得ることができます。

高速域での安定したホールド

高速になるほど
センターフィンは抵抗になりやすくなります。

クアッドはレール側の4枚でホールドを分散し、
高速でも安定したグリップを生みます。

高速でのライン変更のしやすさ

ビッグウェーブでは
ターンというより ラインを切り替える動き が多くなります。

クアッドはレール to レールの切り返しが軽く、
高速でもスムーズにラインを変えることができます。

4. ロングボードでのフィン設定(簡単に)

ロングボードでもフィン設定によって
乗り味は変わります。

トライ(21

  • 安定感が高い
  • ピボットターンがしやすい
  • ノーズライディングと相性が良い

という特徴があり、
クラシック~オールラウンド系のロングボードに多いセッティングです。

一方 クアッド

  • スピードが出やすい
  • 重いロングでも走り出しが速い
  • ダウンザラインの伸びが良い

といった特徴があり、
モダンロング系で使われることが増えています。

シェイパー視点から見たフィンセッティング

シェイパーの立場から言うと、
トライにするかクアッドにするかは、フィンを付ける段階で決めるものではありません。

多くの場合、ボードを設計する段階で
どちらのフィンセットで乗るボードなのかはすでに決まっています。

なぜなら、フィンは単独で働くパーツではなく、

  • アウトライン
  • ロッカー
  • ボトム形状
  • レール形状
  • テールデザイン

こうした ボード全体の設計と一体になって機能するものだからです。

トライとクアッドは
どちらが優れているというものではありません。

それぞれが持っている
スピードの作り方やターンの感覚が違うだけです。

自分のサーフィンスタイルや波質に合わせて
その違いを理解して選ぶことが、
サーフィンをより楽しくしてくれると思います。

フィンは小さなパーツですが、サーフボードの性格を決めています。