コバルトボード

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私は小さく凝縮されたカッコいいボードが好きだ。
子供の頃、初めて鉄腕アトムの弟コバルトを見たときはちょっとショックだった、顔が間延びしていてマヌケな感じなのだ。

コバルトはひょうきんで性格が優しく、大好きなのだが、サーフボードとなると別の話。
わたしは間延びしたマヌケなボードはシェイプしたくない。

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こんなボードはゴメンです

新しいボードをデザインするとき。
私はシェイプするとき、浮力、揚力、レールボリュームなどを考えながら、速いテイクオフ、高い加速性、安定性などの能力をボードに盛り込む。
これらの
要求をすべて満たそうとすると、ボードの各部はどんどん大きなものとなっていく。
長さ、幅、厚さをそのまま維持しようとすれば、ノーズが広がり、テールが広がり、アウトラインやロッカーは単調なストレートなものになってしまう。
いろいろな部分に余分な浮力や広さを持つことで、サーフボードは同じサイズでありながら、どんどん大柄なものになっていく。
すると、トップスピードは低下し、加速性は悪く、動きはさらににぶくなってしまう。

カッコの悪いボードは好きじゃない。
私の理想のシェイプは、必要な揚力と浮力を確保しながら全体的にスッキリと小さく小柄なボードにまとめることだ。

「最小のボリュームで最大の揚力を得ること」
これがすべての
OGMサーフボードに流れるコンセプトだ。
これを追求することで、速く、加速性が高く、コントロールのしやすいボードが生まれる。

OGMサーフボードはすべてが小さい。
私のサーフボードは同じサイズの他のボードと比べると、数字から来る大きさよりもずっと小柄に見えるはずだ。
私はボードを考えるときに、たとえばテールとかレールとか、ボードの一部分だけでは判断していない。
それぞれのつながりをつねに重視し、効率良くボード全体を使うようなデザインを考えることで、余分なボリュームを捨てることが可能となる。ogm54563

サーフボードはすべて曲面でつながっているため、ロッカーもアウトラインもそれぞれ独立した要素とは考えない。
ターンしている時、斜めにレールが沈み込んだボードをイメージして欲しい。
この時、アウトラインはロッカーのように使われ、ロッカーはアウトラインのように使われていることに気がつくはずだ。
理想的なサーフボードは、ロッカーとアウトラインの間に特異点が無く、それはロールの角度の変化でスムーズに切り替わる。
そして同時に、デッキラインもボトムロッカーと同じように大切だということを認識させられる。

このようにボードを総合的にとらえることが最も重要で、そこからデザインをスタートさせる。
そして容赦なく不要な部分を削ぎ落としていく。
余分なボリュームを持たないボードはスピード性が高く快適だ。
この努力を続けることで最高の性能を持ちながら、非常に扱いやすいボードが誕生する。

これらをシェイプ中ずっと考えながら繰り返し、すべてのボードに対して行う。
シェイプは戸惑うことばかりだが、強い意志で考えて行けばパズルは解ける。
解けない謎は1つもない。

サーフボードのシェイプはとても芸術的だが、裏側にはまぎれもなく物理学が働いている。
デザインを決定する上で物理学と数学の知識はとても重要だ。
経験の少ないシェイパーにとっての知識はさらに重要なものとなる。
失敗の原因をさぐる上でも知識はひじょうに大切だ、この知識を持ち合わせないと何度も同じ間違いを繰り返してしまうことになる。