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新しい時代のシェイパー

10429443_756434197784753_1048103761177719933_nすぐれたシェイパーは、すぐれたサーファーか?

すぐれたシェイパーであるためには、すぐれたサーファーであることが絶対的に必要な条件であると言われています。
その理由はサーフボードに働く力が、基本的には流体力学やアルキメデスの原理に基づいているものの、波という三次元的にゆがんだ曲面上をボードが滑走しているため、非常に複雑で解析しにくいからです。
このことから、サーフボードには理論的なデザインよりも、むしろ体感的な経験に基づいたデザインがとても重要なものとなっています。
シェイパーによって新しく削り出されたサーフボードは、サーファーが本当の波に乗って初めてその性能を評価できます。
そしてシェイパーには、ボードデザインを変化させたとき、ボードの特性がどのように変わるのかを誰よりも詳しく体感的に判断できる能力が必要です。
シェイパーは頭だけではなく、自分の体でボードデザインを理解できなくてはなりません。
このことがすぐれたシェイパーはすぐれたサーファーであると言われているゆえんです。

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反対に、すぐれたサーファーはすぐれたシェイパーでしょうか?

今までの答えはNOでした。
シェイパーには、まず頭の中にあるデザインをプレーナーやノコギリといった道具を使って現実に作り出す能力が必要です。
サーフボードは複雑な三次曲面で形成されていて、これをきれいに削り上げることはとても難しい作業でした。
性能はともかく見た目だけでもまともなサーフボードを作るためには最低でも1000本程度のボードをシェイプしないと難しいのではないでしょうか。
しかしながら、近年、すぐれたシェイプマシンと扱いやすいソフトウエアの開発によってこの問題は消滅しました。
現在では一部のすぐれたサーファーが素晴しいサーフボードをシェイプしています。

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サーフボードシェイプは確実に新しい時代に入ったと言えます。

これはハンドシェイプとかマシンシェイプとかいった削り方の違いのことではありません。
のこぎりやカンナを上手く使いボードをきれいに仕上げるという、いわゆる職人的だった技術とシェイプとが分離されたことで、サーフボードは純粋にその性能で評価される時代となって来ています。
シェイプマシンだって単なる道具に過ぎません。
ボードデザインを変化させたとき、ボードの性能がどのように変化するのかを理論的に、体感的に、直感的に予測し、理解し、分析できる想像力が重要です。

ボードの美しさはもちろん重要な要素だと思いますが、それ以上に重要なのがその性能です。
サーフボードを走らせているのは、まぎれもなく物理学です。
見た目だけの美しさだけでなく数学的にも力学的にも美しく性能の高いサーフボードを削るのがシェイパーの仕事です。

これからのシェイパーは、デザイナーやエンジニアとしての能力が今まで以上に重要になってくるものと思われます。

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スコアーのしくみ(その5)

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ジャッジの仕事は「上手いサーフィンにより高いポイントを与える」ことです。
これは世界最高峰のWCTでも、ローカルコンテストでも変わりません。
では、その上手さとは何を基準に判断しているのでしょうか?

ルールブックの中にはジャッジが何について判断し、どのようにスコアーを決定すべきなのかを明確に書いた「ジャッジ基準」というものが存在します。

ジャッジ基準は選手とジャッジとの間で交わされた採点に関する取り決めで、ジャッジはこの基準に一番近いサーフィンをした選手に一番高い得点を与えなくてはなりません。
最近の基準はリッピングの回数やカットバックを何回したとか、ライディングの距離や時間などといった誰にでも解るようなものではなく、マニューバー自体の難易度や完成度を評価する高度なレベルのものに変わってきています。
ジャッジには、単に事務的な能力だけでなく、サーフィンをより深いレベルまで理解し、ジャッジ基準をしっかり把握した上での採点が求められています。

ジャッジ基準
これが世界中で行われるほとんどの試合でベースとなっている「WSLジャッジ基準」の最新版です。
プロもアマチュアクラスもビギナークラスでもすべて同じものが使われています。

2016 WSL Judging Criteria
Surfers must perform to the WSL judging key elements to maximize their scoring potential.
Judges analyze the following major elements when scoring a Ride:

  •  Commitment and degree of difficulty(コミットメントと難易度)
  •  Innovative and progressive manoeuvres(革新的で進歩的なマニューバー)
  •  Combination of major manoeuvres(メジャーマニューバーの組み合わせ)
  •  Variety of manoeuvres(マニューバーの多様性)
  •  Speed, power and flow(スピード、パワー、フロー)

NOTE: It’s important to note that the emphasis of certain elements is contingent upon the location and the conditions on the day, as well as changes of conditions during the day.
NOTE: The following scale may be used to describe a Ride that is scored:
0–1.9 = Poor;  2.0–3.9 = Fair;  4.0–5.9 = Average;  6.0–7.9 = Good;  8.0–10.0 = Excellent

ジャッジ基準には独特の用語が使われています。
ツアージャッジ達が実際のジャッジルームの中で使っているニュアンスをもとに、解釈のポイントを説明しますので、ぜひこの基準を自分のものにしてください。

コミットメント(積極性)
ジャッジの間では、高いリスクを払っているかどうかを見極める重要な言葉として、しばしば登場します。
波の最もきびしいセクションに果敢にアタックするマニューバーには特に高いスコアーを与えています。
また、1つのライディングの中で、いつ、そのマニューバーを行ったのかも得点に影響します。
難しいマニューバーをライディングの最初に入れる方が最後に入れるよりリスクの高いのは明らかで、ジャッジがファーストマニューバーを重視するのはこのためです。

難易度
ジャッジはマニューバーの難しさに得点を与えます。
マニューバーの回数やライディングの長さではなく、技術のレベルをスコアーで表現します。
マニューバーの量ではなく、質が重要です。

革新的で進歩的なマニューバー
今までに見たこともない新しいマニューバーや、現在のマニューバーをさらに進化させたものに挑戦してほしいという願いを込め、高い評価をしています。

メジャーマニューバーの組み合わせ
マニューバーを組み合わせること、そのつながり、連続させることの難しさを評価に加えています。

マニューバーの多様性
サーファーが同じマニューバーを何回も繰り返す単調なものではなく、ジャッジは1つのライディングの中に多種類のマニューバーを要求しています。

スピード、パワー、フロー
スピードとパワーについては、トラックの深さ、レールの寝かせ方、スプレーの大きさなどから判断できるはずです。
すべてのマニューバーの判断の基本となる部分です。
フローは、マニューバーのつながりと共に、クリティカルなセクションの使い方や、波を読んだ的確なマニューバーの組み立て方なども評価の対象としています。

NOTE:
そして最後に注意として、ジャッジ基準の中のどれを重視するかは、その試合の行われているロケーションや、その日のコンディションによって変化すると書かれています。

たとえばトラッセルズのようなポイントでは、革新的で進歩的なマニューバーやその多様性が大きく評価されています。
それに対してパイプラインなどのきびしい波では、エアリアルなどではなく、チューブの深さやテイクオフのポジションなどをコミットメント(積極性)や難易度を使って高く評価します。
また通常の試合では、波の大きさの違いをあまり評価に加えていませんが、ワイメアのような特別に大きな波での試合の場合は、波のサイズが重要な要素となります。
巨大な波にテイクオフするサーファーというのは、最大級のコミットメント(積極性)を示すこととしてジャッジは高く評価しています。

 

スコアーのしくみ(その4)

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下駄を履かせてはいけません。
採点で10点満点をフルスケールで使うということは、良くないサーフィンにも高い点を与え、スコアー全体を引き上げると言う意味ではありません。
良いサーフィンにはより高く、良くないサーフィンにはハッキリとした低い点数をつけ、スコアーにメリハリをつけると言う意味です。

ふつうのマニューバを何回も繰り返したライディングに高い点数がつき、グッドスコアーになってしまうことがあります。
また、レールのあまり使われていないマニューバが繰り返されているのに、アベレージスコアーを使ってしまうこともあります。
ジャッジはマニューバの回数やライディングの長さにまどわされてはいけません。

良いマニューバが入ったライディングがグッドスコアー、
エクセレントなマニューバが入ったライディングがエクセレントスコアー、
ふつうのマニューバだったら、アベレージスコアーを使います。

同じグレードのマニューバが何回連続で繰り返されたとしても、その採点スケールの範囲の中で評価を考えます。
決してその採点のカテゴリーを飛び越えた上のスコアーを使わないようにします。
これを守るだけでスコアーが非常にスッキリとしたものとなります。

レールの入っていないプアーなマニューバを何回繰り返してもプアースコアーにしかなりません。

これが前回話した、
「すごいマニューバ1回するのと、ふつうのマニューバ3回するのとでは、どっちの点が高いの?」
の明確な答えです。

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ジャイアント馬場の16文キックはエクセレントスコアーですが、グレート東郷の塩まき目つぶしや、ミスター珍の下駄攻撃はプアースコアーでお願いします。

もし自分のスコアーが伸びないなと思ったら、そのマニューバがあまり評価されていないということです。
ジャッジはマニューバの難易度に点数をつけています。

ジャッジ基準を読み返してください。
そこには高いスコアーを得るための答えが書いてあります。

  • スピード、パワーは十分ですか?
  • マニューバのつながりはどうですか?
  • レールはしっかり使われていますか?
  • コミットメントはありますか?
  • マニューバのポジションはどうですか?
    波のクリティカルな場所を逃げていませんか?
  • その技は革新的で進歩的ですか?
  • マニューバの種類は豊富でしたか?
  • コントロールはどうですか?
    バランスはくずれていませんでしたか?
  • そのセクションで行ったマニューバは最適でしたか?
    もっとぴったりの良いマニューバはありませんでしたか?

ケリースレーターだって同じ基準で採点されています。
ジャッジはジャッジ基準に従って採点します。

スコアーのしくみ(その3)

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ジャッジをしていると、選手からこんな質問を受けます。
「すごいマニューバ1回するのと、ふつうのマニューバ3回するのとでは、どっちの点が高いの?」
ジャッジ基準には、マニューバの量ではなく、質(クオリティー)に点数をつけるとはっきり書かれています。
したがって、むずかしいマニューバの入っているライディングに高いスコアーが付くことになります。

ジャッジは、採点スケールにしたがってスコアーを決定します。
採点スケールとは、ジャッジシートの隅に書かれているグッドとかエクセレントとか書かれているコレのことです。

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ライディングのマニューバを分析し、
良いライディングだなと思ったらグッドスコアーの中から、
ふつうのライディングだなと思ったらアベレージスコアーの中から、
その採点スケールの範囲の中で最適なスコアーを決定します。

ジャッジは点数にはっきりとした差をつけるため、2点や3点の低い点数で勝敗を決めるのではなく、なるべく10点満点のスケールをいっぱいに使って採点するように教育を受けています。
この採点スケールは、スコアーに幅を持たせるためにも非常に有効です。

たとえば、あるライディングに対し、ジャッジが5点をつけたとします。
ヘッドジャッジがたずねます。
「今のライディング、どうだった?」
そのジャッジは、
「良かったよ。」
と答えたとします。
すると、ヘッドジャッジは、
「良かったと思うのだったら5点じゃなくて、採点スケールのGood (6.0~7.9)の中でスコアーすればもっと幅広く10点満点を使えるよ。」
とアドバイスするでしょう。

ジャッジが10点満点のスケールを幅広く使うことによって実力のある選手が勝ち上がる確立が高くなります。
プロの試合でグッドライド(6.0~7.9)のスコアーを出すことは容易ではありません。
おそらく1本のライディングの中に、難易度の高いマニューバを最低1~2回ほど組み入れる必要があるでしょう。
これは、実力のあるサーファーでないと出せないスコアーです。
それに対して、3ポイント程度のスコアーは1本のライディングの中に簡単なマニューバを1回入れれば出せてしまいます。

何らかの事情で、その上手いサーファーがヒート時間内に、うまく波にめぐりあわず良いライディング1回しか乗れなかった場合、もしそのスコアーに5点しかついていなかったとすると、簡単なマニューバが1回しか入っていない3点ライディングを2本乗った選手に合計で負けてしまうのです。
もしエクセレントなサーフィンにジャッジが7点しか出すことができなければ、アベレージな4点のライディングを2本乗った選手に負けてしまうのです。

このように、評価を誤ると試合結果が違ったものになってしまいます。
われわれジャッジは、ライディングに含まれるきびしいマニューバを正しく評価し、素晴らしいサーフィンを行った選手がしっかりと勝ち上がって行けるジャッジングをめざしたいものです。

スコアーのしくみ(その2)

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「残り時間1分!」
「ホワイトの選手乗りました、2位レッドの選手を逆転するために必要なスコアーは
5.18ポイント!」

そんな時、ジャッジは何を考えているのかを話しますね。
これはあくまでも私の点数の決め方ですが、他のジャッジたちもたぶん似たようなことを考えてスコアーしていると思います。

まず逆転スコアーの5.18ポイントですが、アナウンスがずっとガンガン言っているのでとうぜん頭の中に入っています。
でも、私は自分がこのスコアーを入力したら逆転するとか、しないだとか、あまり深く考えていません。
なぜなら、発表されるスコアーは他のジャッジと作っている平均点なので、自分の点数だけでは決まらないからです。
しかも、大きすぎるスコアーや小さすぎるスコアーは、コンピュータにはじかれてアベレージに反映されなくなるシステムになっています。

この時、私たちジャッジがすべきことはただ一つ、冷静に考え、自分の意見としてのスコアーを入れることだけです。

ヒートが始まったばかりであれば、わりと広い範囲の中でスコアーを決定できますが、ヒート終了間際になって来ると、ジャッジシートの中にたくさんの確定したスコアーが存在してきます。
ヒートの後半で新たなライディングをスコアーするときは、すでに入力した自分の点数ををしっかりと考慮しながら採点しないと試合の結果を違ったものにしてしまいます。

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上のスコアーシートを見ながらさっきのシチュエーションを考えてみます。

終了間際に乗ったホワイトの選手のライディングが5.0点あたりに来るだろうなと思ったならば、それと近いライディングだと考えられるイエローの3本目の5.0点ライドがどのような内容であったかを頭に思い浮かべてみます。
「最初のマニューバはちょっと甘かったけど、2回目のはわりときびしかった。3回目のカットバックも悪くなかったな」
こんな感じです。

それに対して今回乗ったホワイトの6本目のライディングを思い出してみます。
「なかなか良いターンも入っていて、うまくまとめたライディングだったけど、イエローの2個目のマニューバのようなきびしいターンは入っていなかったぞ」
ここで私は5.0点以上出せないことを認識します。
この段階で少なくとも私のスコアーシートの中では、ホワイトの逆転は無くなりました。

こんどはその下のスコアーであるレッドの4本目の4.5点ライドと比較してみます。
「たしかきれいなコンビネーションのターンだったけどパワーが足りなかったかな、あのレッドのライディングよりも今回のホワイトの方が良いサーフィンだと思う」
これでホワイトには4.5点以上のスコアーを入れるべきだという結論に達します。

その考えからすると、私がホワイトに対して使えるスコアーは4.6、4.7、4.8、4.9しかありません。
イエローのライディングに近ければ4.8を、レッドに近ければ4.7を、限りなくイエロー近いと思えば4.9を使います。
このようにヒートの後半では、使えるスコアーがかなり限定的なものとなってきます。
ジャッジはライディングの雰囲気や思いつきでスコアーを決定しません。

スコアーは互いに違いますが、他のジャッジたちもそれぞれこんなことを考えながらスコアーを付けています。
そして、上下2人のスコアーはカットされ、真ん中3人のスコアーの平均点が発表されます。
このときホワイトの選手が逆転するとかしないとかは、ジャッジ個人の意識の中にはありません。

このようにして付けられているスコアーは、1本1本バラバラに付けられているスコアーと違って、あるときにはきびしく、あるときには甘く感じることが起こるかもしれません。
良く観客の中で、
「今のライディングは最低でも5.2ポイントはあったはず、このジャッジの点数はおかしい」
などと評価する人がいますが、そのライディング1本だけではなく、そのヒートの最初から最後まで、すべてのスコアーを見てもらえれば、妥当なスコアーだったということがわかっていただけると思っています。

スコアーのしくみ

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「あれおかしいなー、いつもだった5,6点は出るのに、4点か〜、
今回のジャッジ、ひょっとして俺のこと嫌いなのかな〜?」
よくこんな話聞きますよね、でも大丈夫、安心してください。
ジャッジは好き嫌いで点数をつけません。

しかし、ジャッジのスコアーが同じライディングに対して変わってしまうことは起こりうることなのです。
今回はサーフィンの技術的な部分は抜きにして、どうしてそういうことが起こるのか、スコアーのしくみの部分から説明してみます。

サーフィンのジャッジは何をしたから何点という点数のつけ方をしていません。
オフザリップ2回してカットバックしたから5点だなんて言う決まりは何もありません。

10点満点についても同じです。
たとえば
WCTの選手が乗るパイプラインやタヒチのものすごい波での10点もあれば、同じWCTでもオンショアのジャンクな腰波での10点もあります。
この2つのライディングはまったく違ったものなのに同じように10点が使われています。
もう一つはディビジョン(クラス)が違う場合です。
プロクラスでの10点もあれば、ビギナーズクラスの10点もあります。
当然それらのライディングが大きく違うことはお分かりになると思います。
でもここで、一つだけ確かなことがあります。
これらすべての10点ライディングは、その日の試合の中で一番上手かったサーフィンだったと言うことです。

サーフィンの採点では、波のコンディションの違いによってサーフィンのパフォーマンスが大きく変わってしまうため、絶対評価ではなく相対評価を使っています。
相対評価は比較して評価するスコアーです。
新しいライディングに対して、ジャッジはスコアーシートの中でそれに一番近かった(クオリティーが一番似ている)ライディングを思い出しながらスコアーを考えます。
今のライディングがその基準のライディングより良かったと思えばそれより高いスコアー、悪かったと思えばそれより低いスコアーを入れます。
例えばこんな感じです。
今のライディングはRed3本目につけた4.5点のライディングより良くて、Yellow2本目につけた5.0より悪かったので4.7点をつけるとか言った感じです。

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ジャッジは雰囲気や気分、思いつきで点数はつけません。
ライディングを記憶して、スコアーを思い出し、そのマニューバを分析し、スコアーシートに書き、コンピュータに入力します。
記憶があいまいな場合はリプレイシステムを使って検証します。
これをヒート中ずっと繰り返します。

4点しか出さなかったのは、他の選手が乗ったそれより良いライディングに対して4.5点のスコアーがすでに確定しているからです。
もし6点出たとすれば、それより悪いライディングに対してすでに5.5点のスコアーを与えているからです。
ただこれだけの理由です。
ジャッジにはその選手が好きだとか嫌いだとか考えているヒマはありません。

試合中は1つのライディングのスコアーに一喜一憂せず、もし自分のスコアーが伸びないなと思ったら相手のサーファーが自分より良いライニングをしているのだと解釈してください。
相手のサーファーより良いライディングをすることで、それより高いスコアーを手にすることができるのです。

 

シェイプをリンクさせる

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こんな経験ないだろうか?

「今日は波が大きいけど、こっちの長いボード使うより、いつも乗ってる短いボードの方がどうもしっくりくるんだ、ちょっとテイクオフきついけどね~」

本当はすべての波に1本のサーフボードで対応できれば良いのですが、ヒザ波とオーバーヘッドの波とでは、波のパワーも要求されるマニューバーもかなり違ったものとなります。
すべてのサイズの波でうまく働いてくれるサーフボードを作るのは、なかなか簡単なことではありません。
そこで波のサイズによって、何本かのサーフボードを使い分ける必要が出てくるわけなのですが、それぞれのボードごとの乗り味が大きく異なっていたり、ボードが受け持つ波のレンジ(範囲)がしっかりと割り振られていなかったりすると、乗り換えをスムーズに行うことができません

私は、波のサイズに合わせて2本以上まとめてオーダーを受けた場合、サーフボードの1本1本の完成度を重視するのはもちろんですが、それらのボードが互いにスムーズに乗り換えられるように、他方のボードをしっかりと意識したつながりのあるシェイプを心がけます。

マシンを使って、拡大や縮小をすれば簡単だろうと思う人がいるかも知れないが、そんなに甘くはありません。
マシンでの拡大縮小は体重が違う2人のサーファーに対しては有効な場合もありますが、一人のサーファーに対して目的の波のサイズを変える場合には、まったく使い物になりません。
ボードスピードや波のパワーの変化が考慮されていないからです。
モデルを変えて対応することは可能ですが、その場合コンセプトが大きく変わってしまうので、ボードどうしのつながりなどは何処かへ消えてしまいます。

つながりを求めたシェイプには、独立した単独のコンセプトは不要です。

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波のサイズが変わるとボードのスピードやターンの大きさ、マニューバの種類までもが変わって来ます。
小さな波の場合は、いかに効率良く波のパワーを受けスピードに変換することを中心に考えデザインしますが、大きな波では逆に、パワーをうまく逃がしながら正確にコントロールできるボードが必要となってきます。
当然、波をつかまえるために必要なパドルの速度も変わってくるので、そのための浮力についても考えなくてはなりません。
アウトライン、ロッカー、ボリューム配分、レールフォイル、コンケーブやコンセプトに至るまで、少しずつですが全体を通じてつながりのある変化をデザインの中に組み込むことが重要です。
1本のボードをシェイプするとき、残りのボードをつねに意識しながらシェイプを続け、乗り味をリンクさせながら徐々に変えていきます。

これがOGMで言う同じサーフボードです。
形も大きさも違いますが、サイズの異なる波に乗ったとき同じボードのように反応します。
このようにして作られたサーフボードのグループは波の大きさの変化に柔軟に対応します。
波が大きくなったらサーフボードをひとつ大きなものに変えるだけです。
あたかも同じボードに乗っているような感覚です。

このようにシェイプを他のボードとリンクさせることによって、あなたが、いつ、どのサーフボードを選ぼうとも、一貫した乗り味を手に入れることができるのです。

 

 

JELLYちゃん製作日記

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アニマルシリーズ7匹目、JELLYちゃんの制作にとりかかります。

ゴールデンウィーク完成を目指します。


 

その6       4/27/2016
JELLYちゃんついに完成しました!

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その5     3/14/2016
デッキのラミネート
ジェリー5-1あんだかんだ手間かかります。
神田明神下の平次です。

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その4  2/20/2016
デッキのシェイプ

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ボトムのラミネート面までデッキを掘りました。
サーフボードのシェイプではこのようなへこみはあまり無いのでかなり大変です。
サンダーを使って、あとは小さいブロックですべて手作業です。
これからデッキのラミネート。

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その3  2/9/2016
ボトムのラミネート

あFullSizeRenderqボトムのラミネートと補強をしました。
まだ全体のプランが確定していないので、とりあえずティントのムラサキスポーツ

 

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このあとシェイプルームに連れて帰って、もう一度デッキのシェイプです。

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その2  1/28/2016
ボトムとレールのシェイプ
アウトラインを描きカットします。
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ノーストリンガーで、しかも10年以上放置したブランクスなので、ロッカーはめちゃくちゃ(S字カーブ)です。
デッキ部はラミネート後に掘ってしまうので、ボトムとレールだけシェイプします。
(後ろにいるのはサイジくんのバイラス)
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ボトムからレールにかけては、ほとんど完成です。
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この状態で、ボトムのラミネートに入ります。

 


 

その1  1/24/2016

ブランクスの作成
使わなくなったノーストリンガーのブランクスをカットし、つなぎ合わせてニーボードのための幅の広いブランクスを作ります。
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カット面を整えボンドで貼り合わせます。
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バンドで固定して硬化するのを待ちます。
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レールサーフィン

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短くて幅が広く、丸くて平らなサーフボードに乗れば誰でも簡単にすぐ曲がり、小さな波だったらスープやリップに当てることができるかも知れません。
サーフボードをフラットにしたままボトムの腹を使って曲げるので、ボードが走っていなくてもノーズの向きはコロコロ変わります。
このようにノーズを左右に振る動作をYaw(ヨー)と言います。
もちろんこれもサーフィンなのだと思いますが、私たちジャッジはまったく評価しません、レールが何も使われていないからです。
何度も言いますが、サーフィンのターンはYaw(ヨー)じゃダメです。

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どこかの誰かの写真をお借りしました、ありがとうございました。

このケリーのカットバックの写真を見てください。

ちょうどリップのところにこのカットバックのトラックの始まりが見えますが、ケリーのボードのノーズが180°向きを変えるまでにボードの走った距離(トラックの長さ)は楽に5m以上、ひょっとすると10m以上あるのではないでしょうか。
本物のサーファーのカットバックというのはノーズをただ横に振るだけのようなコンパクトなものではなく、想像しているものよりずいぶん大きなものだと考えてください。
波のトップからボトム、カール際からショルダーまでかなり広いスペースを使っています。

これに対してノーズを左右に振るサーフィンでは、わずか1m四方ほどの広さの中でマニューバを行っています。
落ちてきたリップにボードを当て、今まで走って来た方向にノーズの向きを変えて、オフザリップもカットバックも自分の頭の中では完璧にできていると思っていますが、まわりの人は誰も気づきません。
ボードが走っていないのでトラックは何も残りません。

オマケですが(本業はシェイパーなので)、この写真のときケリーのボードがどのくらいロールしているのかを、シェイププログラムを使って確認してみました。
シェイプルームの中のボードに、この写真と同じような角度に見えるまでRoll(ロール)とPitch(ピッチ)を加えてみました。
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2番目の画像は、視点を移動しボードをノーズ側から見たものです。
想像以上にボードがRoll(ロール)している(傾いている)ことがわかります。
また、曲がるためにはロッカーが非常に大切だということに気づくと思います。
そして、このターンの重要な要素であるRoll(ロール)とPitch(ピッチ)を安定して維持するために、
十分なボードスピードから来る遠心力と、レールのフォイル、ボリュームのバランスが大きな役割を受け持っています。
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良く走るサーフボードが曲がらないなんてウソです。
ボードは走ることで曲がります。
サーフボードが曲がるのは、Roll(ロール)して(傾けて)走った結果です。
そして曲がるための重要な要素はロッカーです。

これがレールサーフィンです。
サーフィンの基本はボードスピードです。
止まったサーフィンから卒業しましょう。