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コンペティションボードについて

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私はサーフィンを見るのが好きだ。
特にうまいサーファーのサーフィンを見るのは最高に気持ちいい。
サーフィンを見たいからジャッジになったわけではないが、いったん足を突っ込むと真剣にのめり込んでしまう性格のため、1994年にJPSAからの依頼で始めたこの仕事も、WSL(ASP)も含めるとプロコンテストのジャッジだけで年間100日を越え、それをすでに20年以上も続けていることになる。

しかし、私はジャッジである前にシェイパーなので、真っ先に目の行ってしまうところは、いろいろなセクションで選手がどのようにボードをコントロールしているのかであったり、マニューバーにおけるレールの使われ方であったりする。

上手い選手がきれいにサーフボードを使う姿を見ることは本当に気分が良い。
絶妙なレールの入りぐあい、ストレスの無いターンのつながり、見ていて惚れ惚れしてしまう。
また逆に、余計なお世話なのだが、マニューバーの途中で突然レールが引っかかってワイプアウトしたり、本来抜けれそうなセクションが抜けられなかったりする選手を見ると、その選手の使っているボードが本当に彼に合っているのかなど、よけいなお世話なのだが、ついつい気になってしまう。

こんなことを1日10時間、年間100日、20年以上もやっていると、ほとんど1本のライディングを見ただけで、その選手とボードの関係性が見えてくる。
もう少しだけスピード性の高いボードに乗り変えれば、この選手はずっと見栄えが良くなるだろうなとか、もうちょっとロッカーを強くすれば、さらにマニューバーのクオリティーが上がるだろうなとかである。

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午前中、クリーンなコンディションで最高の調子を保ち何ラウンドも勝ち上がってきた選手が午後になって風がオンショアに変わるやいなやボードスピードが極端に落ち、調子を崩して敗退してしまう選手がいる。
明らかにボードのアンダーボリュームが原因だ。

しっかりとしたコーチがいれば、オンショアの波のパワーダウンに対して選手にボードのチェンジを勧めるのだろうが、今まで調子良く勝ち上がってきたボードを自らチェンジするのは非常に勇気の要ることで、結果的に敗退してしまう選手が多い。
これは私のライダーたちにも言えることであるが、もちろん試合中は選手たちとジャッジは会話できる状況にないので、いつも試合終了後での反省となってしまう。

WCT選手の使っているボードは、最高のパフォーマンスを引き出すために、よぶんなぜい肉(浮力)を落とし、バリバリにチューンされたF1マシンのようだ。
最高のサーフポイントと十分なコンテスト期間、選手は最高の波で演技することだけを考えてボードを選択すれば良い。
しかも、試合中はしっかりとしたプライオリティーシステムが確立されているので、テイクオフの速さを競ったり、波を取り合ったりする必要もない。
ここでは反応の早い、ローボリュームのサーフボードが真価を発揮する場所だ。

これに対して、WQSや日本国内の試合では、試合期間が短く、良いコンディションを待っているだけの余裕がない。
小さな波やオンショアの悪いコンディションでも試合することを想定したボードが必要だ。
しかも4メンヒートが主体となるため、パドルの速さやテイクオフの早さも考慮したボード選びとなるだろう。
WCT選手のようにたくさんのボードを持つことのできないサーファーにとっては、1本のボードでどれだけ幅広く波に対応できるかどうかが重要なポイントとなってくる。

信頼できるシェイパーとコミュニケーションをとり、さまざまなコンディション、幅広い波のレンジで自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるボードを手に入れることが大切である。

EPSの長所と短所

__ 1a サーフボードの芯材として使われるフォームは主に2種類あります。
一般的なのはPU(ウレタンフォーム)で、ほとんどのサーフボードはこれをポリエステル樹脂でラミネートする製法をとっています。 もう一つはEPS(発泡スチロール)を芯材に使ったもので、ラミネートにはエポキシ樹脂を使っています。
フォーム(芯材)の強度
ひと昔前までのEPSはとても弱く、セルの基本なっているビーズどうしの融着もいい加減で、そのままの標準ラミネートではとても耐えられないものばかりでした。 そのため、シェイプの段階で表面に硬質ウレタンなどをバキューム圧着してからラミネートする製法が主流でした。
現在のサーフボードに使われているEPSは非常に良くなっています。 安定したセルを持ち、目的に合わせて発泡密度を選べば、PUとほとんど変わらない強度のフォームが簡単に手に入ります。
ラミネートの強度
EPSのラミネートに使われるエポキシ樹脂は、PUで使われているポリエステル樹脂と比べると、工業的に非常に優れています。
強度試験のデータでは、ポリエステル樹脂の2倍以上の数値を持つ項目もいくつかあります。
もちろん、これは樹脂単体で計測した力学的な数値なので、単純にサーフボードが2倍強いという意味にはなりませんが、実際にポリエステルと同量のガラスクロスを使ってラミネートすると、かなり丈夫なボードができあがります。
重量の違い
EPSとPUのボードのラミネートの部分には、重量の違いはほとんどありません。 したがって、これらのサーフボードの重量の違いは、ほとんどすべて芯材であるフォームの重量(比重)の違いだと言えます。 EPSとPUの比重(単位体積あたりの重量)の違いはとても大きく、ボードの体積が増えるに従ってその重量の差はどんどん大きなものとなって行きます。 実際には体積の大きなボードほどEPSの比重の恩恵を受けるので、ショートボードよりロングボード、ロングよりSUPと、大きくなるにつれて軽さが際立ってきます。
現在、SUPに使われているフォームがほとんどEPSなのはこの理由からです。
EPSの長所と短所
では実際にサーフボードをEPSでつくると、どんなメリットとディメリットがあるかをサーフボードのタイプ別にお話します。 EPSについては、たくさんのサーフボードメーカーがそれぞれ違った評価をしているので、あくまでもOGM社の話ということで聞いてください。

コンペティションボード GHDnobu best現在OGMの標準的なショートボード(コンペボード)で、体重65kgくらいまでのサーファーのボードをPUでつくると、重量は2.2~2.8kgくらいです。 このクラスのサーフボードをEPSで軽くつくると、1.8~2.3kgくらいで仕上げることが可能です。 でも、軽すぎるボードに対して、ライダーの反応はイマイチです。 「ターンが安定しない」 「エアリアルの着水の時、ボードが沈まずに波から弾かれてしまう」 だいたいこのように、良くない意見が帰ってきます。
では、ガラスクロスを増やしラミネートを厚くして、重量をPUと同程度まで増やしたらどうでしょうか? とてつもなく丈夫なサーフボードができるのですが、硬すぎるボードはどうもコントロールが難しいようです。
「小さな波だとスピードが出て良いのだが、大きい波だとターンが難しい」 ライダーによって微妙に表現は違いますが、おおむねこんな感じの評価が多いです。
ライダーの好みでまちまちなので、はっきりとは言い切れないのですが、OGMでは5’8″以下のサイズのボードではPUが主流です。 そして、5’9″あたりから大きくなるにしたがってEPSでのオーダーが少しづつ増えて来て、全体としてのEPSの割合は25%程度です。

大きめのコンペティションボード MC-1MC-1 身体の大きな人のボードをPUで作るとき、30ℓを超えるボードや6フィートを超えるボードでは、完成した重量が3kgを大きく超えてきます。
出来上がったボードを持つと、どうしてもズッシリとした重い仕上がりで、試合向きのボードというイメージではありません。
このような時、EPSは非常に有効な素材となります。 EPSはテイクオフが早く、取り回しが軽いため、ボードの大きさを感じません。 また、EPSのボードが硬いという評価も、このクラスのボードを使うサーファーはガッチリとした体格が多いせいか、ほとんど聞かなくなります。 OGMではこのクラスのコンペボードのほとんどがEPSでのオーダーです。 また、サーフィンする機会の少ない人が、早いテイクオフやスピードを求め、自分の体格よりも大きめのボードを選ぶ場合にもEPSは有効です。 ボードの重量がPUと比べて非常に軽くなっているので大きめのボードでも、乗ってからのパフォーマンスにあまり影響を与えず、実際のその大きさを感じさせません。

ロングボード PERFORMER / HPNR3a
現在、コンテスト用ロングボードの主流はEPSです。 薄めのロングボードでも、EPSとPUの重量の違いは1.2kgほどあります。
重量が9~10kgもあるクラシックなロングボードでの1.2kgはあまり大きな違いに感じませんが、試合で使う6~7kgクラスのロングボードでは、1.2kgの違いは非常に大きく、そのボードのパフォーマンスは大きく変わります。
年々ラディカルになって行くロングボードのコンテストシーンで、多くのプロ選手がEPSを選んでいるのは十分理解できることです。
OGMでは、コンテスト用のロングボードの7~80%がEPSです。

ミッドレンジのサーフボード / クラシックロングボード
ミッドレンジのボードやクラシックロングボードはパフォーマンスよりもクルーズ性を売り物にしています。
サーフボードの軽さはさほど重要ではありません。
EPSは基本的に艶のある仕上げが美しくありません。
ボードの美しさを求めるのであれば、PUを選ぶべきだと思います。
色の深いティントカラー、アブストラクト、マーブルなどは、PU+ポリエステル樹脂の得意分野です。 既製品では味わえない個性のあるラミネートや仕上、カラーのセンスにまでこだわった美しいPUのボードをオーダーしてください。 このクラスのOGMサーフボードは、ほとんどすべてPUで作られています。

EPSの浮力についての考察

x__ 2「EPSの浮力が大きいのは中に空気がたくさん入っているからだよ」
こんな話、聞いたことないですか?
アルキメデスが聞いたら腰を抜かしそうなレベルの会話ですが、今回は、そのEPSの浮力について考察してみたいと思います。

まずは、サーフボードの浮力の大きさを計算してみます。
アルキメデスの原理から、浮力は次の式で表されます。
F=-ρVg
F:浮力
ρ:ボードを浮かせている海水などの密度
V:ボードの体積
g::重力加速度
重力加速度gは一定なので、上式からわかるように、浮力はボードの体積とそれを浮かせている海水などの比重で決まります。
海水の比重についても、厳密には場所や温度によって少し変化しますが、だいたい何処でもいつでも一定だと考えて問題無いでしょう。
したがって浮力の大きさは、サーフボードの体積だけで決まります。
つまり、サーフボードの中に空気やヘリウム、たとえ水素ガスが入っていたとしても浮力は何も変わらないということです。

実際には、サーフボードの自重分に当たる重力が相殺されるので、EPSで軽く作られた分だけ浮力が増えることになります。
たとえばEPSで体積30ℓ程度のボードを作ると、重量はPUより600グラムほど軽く作ることができます。
海水の密度を簡単のため1とすると、30ℓのボードの浮力は30kgとなります。
増加した浮力の割合を計算すると
0.6kg÷30kg=0.02=2%
ちょっと意外な結果になりました。
EPSで同じサイズのボードを作っても浮力は2%程度しか増えていないということです。

しかし、実際にEPSのサーフボードに乗った感触の違いは明らかに別次元のもので、とても2%の違いではないと思う人ばかりだと思います。
これは何処から来るのでしょうか?
このことは、質量(慣性)の違いによるものだと推測できます。
PUで作った体積30ℓのサーフボードの質量が3kgだとすると、次の式から600グラムの質量の違いは20%です。
0.6kg÷30kg=0.2=20%
ニュートンの運動方程式(運動の第2法則)
F=max__ 1
F:力
m:質量
a:加速度
この式によれば、慣性の大きさを表す質量mと加速度aは逆比例の関係にあります。
つまり20%軽いサーフボードは、同じ力Fが加わったとき20%大きな加速度で運動します。
これは、少しの力が加わっただけでボードが大きく反応するということです。
このことが不安定さを生み、感覚的なふわふわ感となり、
「EPSの浮力が大きいのは中にたくさん空気が入っているからだよ」
と言わせている本当の理由だと思われます。

では、実際に役に立つ話として、
EPSでサーフボードを作った場合どのくらい小さく作れば良いかというと、
単純に浮力だけをそろえるのであれば、水の比重を1とすると、0.6ℓだけボードの体積を減らせば良いので、マシンシェイプの設計プログラムでシミュレートすると、だいたいこのあたりのサイズのボードで約1.6mm(1/16インチ)薄くシェイプすればよい計算になります。

また、幅と厚さを同じにして長さを短くするのであれば、ボードの形にもよりますが、4cm(1.5インチ)くらい短くすれば良さそうです。

ロングボードの場合ですと、私のシェイプする9’0”クラスのPerformerは60ℓくらいの体積があって、EPSで作ると約1.2kg程軽く仕上げることができます。
これで、浮力をそろえるため1.2ℓ体積の少ないボードをシミュレートすると、やはり1.6mm程度薄くシェイプすれば良いという結果になります。
ロングの場合、レギュレーションがあるので、長さを短くするわけにはいきません。
同じ厚さで、幅だけを変化させて1.2ℓの体積を調整しようとすると、1.2cmくらい細くすれば良い計算になります。

もう一つオマケで、最近、話題のウエイブプールですが、真水のプールではサーフボードの浮力が減少します。
海水1kgには約30gの塩分が溶けていて、
水温24℃での比重は約1.024です。
つまり、同じボードでも真水のプールの中では、浮力が海水より約2.4%減少していることになります。
さっき計算したEPSの浮力の増加分とあまり変わらない数値ですね。
つまり、いつも乗っているPUのボードとまったく同じ大きさでEPSのボードを作れば、真水のウエイブプールでの浮力の減少分をちょうど補ってくれる計算となり、あんがい調子良く働いてくれるのではないでしょうか?

FIN SETTING

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フィンのセッティングだけで、サーフボードの性能を大きく変えることができることを知っていますか?
フィンはサーフボードの性能を左右する最も重要なパーツです。
ボードが自分に合っていても、フィンが合っていなければその性能を十分に引き出すことはできません。
逆に、ボードが多少合っていなくても、フィンのセッティングをうまく調整することで、自分に合ったサーフボードの特性に近づけることができます。

フィンは横滑りを防ぎ、それを推進力に変える装置です。
たとえばボードのスピードがもう少し欲しい場合、フィンをワンサイズ大きいものに変えると、グリップが良くなりスピード性が改善されることがわかっています。
グリップの良さは安定感にもつながるのですが、グリップが良くなり過ぎるとコントロールが難しくなってしまうので注意が必要です。
上級者は、そのしっかりしたグリップをうまく使って、さらに厳しいマニューバーにつなげることができるかもしれませんが、そのシビアな反応は必ずしも良いことばかりではありません。
グリップの甘さは、ちょうど車のハンドルのあそびのようなものです。
初中級者にとっては、グリップの甘さから来る小さな横滑りが、乘りやすさを生み、ターンのきっかけやレールの切り返しを楽なものにしてくれています。
もし今の自分のボードのセッティングで、ワイプアウトが多かったり、レールを寝かせることが難しかったりする傾向がある場合、フィンをひとまわり小さなものに変えてみると改善されることがあります。

また、トライフィンのセットですが、3枚とも同じフィンを使うことが必ずしもベストなわけではありません。仮想フィンの位置が移動する
トライフィンの場合、前側(サイドフィン)のフィンに大きいものを選び、後側(バックフィン)に小さいものを付けると、加速性が上がり、小回りがきく小波用のセッティングとなります。
一般的なFCSですとサイドにM7、バックにM3を組み合わせるといった感じです。
これに対し、大波用のセッティングでは、サイドにM5、バックにM7、あるいは、サイドにM3、バックにM5を組み合わせることによって、サーボードが落ち着き、スピードが上がっても安定したコントロールができるようになります。
これはトライフィンのようなマルチフィン(複数フィン)の場合、複数のフィンが集まって1枚の仮想的なフィンを作っていると想像してください。
この組み合わせる前後のフィンの大きさの違いによって、フィンの位置は同じでも仮想フィンの重心が前後に移動するということで説明できます。

もし、自分のボードの乗り味に満足していないのであれば、もう一度フィンについて、シェイパーと相談してみてはいかがですか?
改善の方法は、まだまだたくさんありますよ!

OGM シェイプ教室

シェイプ教室についてのお問い合わせが多いので、テキスト内容の一部とハンドシェイプの動画を公開しますね。

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SURFBOARD DYNAMICS
このサーフボードダイナミクスでは理解を容易にするため、ボードをアウトラインやロッカーなど、それぞれのパーツに分けて解説していますが、各パーツで述べているのはあくまでも一般的な傾向です。
しかもそれらのパーツは滑らかな三次曲面ですべてつながっているためそれぞれが独立していません。
たがいにからみ合い、密接に影響し合っています。
たとえばレールはボトムの一部でも有りデッキの一部でもあり、明確な境界はありません。
アウトラインにしてもレールを介してロッカーにつながっているため、アウトラインの変更があたかもロッカーを変更したかのような結果を生むこともあります。
サーフボードではそれぞれのパーツが互いに関連し影響しあっているので、ただひとつの要素だけでボードの特性を決めてしまうのは無理があり、意味がありません。

アウトライン

サーフボードの最も重要で基本となるラインです。
ボードのいちばん外側になる部分で、このラインでボードの性格の大部分が決定します。
シェーパーは長さ、幅、最大幅の位置、ノーズ幅(ノーズから30cm付近の幅)、テール幅(テールから30cm付近の幅)などの数値でアウトラインの特性を分類、分析しています。
一般的にワイデストポイントが前方にありノーズが広くテールの狭いボードは直進性が高くハイスピードでのコントロール性が良いと言われています。
弱点はテールエリアが狭いため波のパワーを受けにくく小さい波では加速性が悪いことです。
これに対してワイデストポイントが後方にあるボードはテールが広いため波のパワーを受けやすく小波でも加速性に優れています。
ただし、大きな波の時などでボードスピードが出過ぎた場合、コントロールするのが難しくなる傾向があります。

ボトムロッカー

ロッカーを表現する方法や解釈はシェーパーによってさまざまです。
サーフボードを真横から見てボトム側についている反り(カーブ)のことをボトムロッカーと呼びます。ボードにおいてボトムロッカーはアウトラインと共に最も重要な要素です。
ロッカーとアウトラインは、はっきりと切り離して考えることはできませんが、基本的にはロッカーが強ければルースしやすくスピードが遅くなります。
これは水の流れがボトムの曲面を追いかけすぎて、引きずるような状況を作ってしまうためです。

ノーズロッカーはボードのボトムに入り込む水をコントロールしています。
ボードスピードがあまり高くない段階でのスピードに大きく影響し、特にテイクオフ時には一般的にノーズロッカーが強いとボトム面の水に対する仰角が強くなりスピードが遅くなる傾向があります。
よく、ボードが水を押してしまうという表現のことです。

テールロッカーは主にコントロール性に影響します。
これも一般的にですが、強いと曲がりやすく、弱いと直進性が強まる傾向があります。

デッキライン(ボリュームバランス)

各部に必要な厚さを確保しながらそれらの点をつないだデッキ側のラインをデッキラインと呼びます。
このデッキライン(厚さ)によってサーフボードのボリュームが作られるわけですが、これもボードにとって非常に重要な基礎となる要素です。
適正なボリュームというのは、そのボードのタイプによってまちまちで、たとえ同じ体重のサーファーであっても、そのスタイルや好みによって大きく違ってきます。

レールフォイル

レールはターンの状態を安定して保つための重要な部分です。
これもボリュームの大きさや配分と切り離して考えることはできませんが、一般的に薄いレールはコントロールし易いがスピード性に欠け、厚いレールはターン時にパワーが必要だが、スピード性が高いと言われています。

H-1 (1989)

OGM社が1989年(平成元年)に作った初代のシェイプマシン(ロッカーマシン)です。
当時、私は31歳(動画が若い)、ウインドサーフィンの爆発的な流行に伴い、ディック・ブルーワーやジミー・ルイスを始めとする多くのサーフボードの名シェイパーたちがセイルボードのシェイプを依頼されていた時代です。
ウインドサーフィン界では揚力抗力比の改善をシェイパーたちが競い、風の安定したマウイでは毎日のようにR&Dが繰り返されていました。

ボードのテストでは同じ失敗を繰り返さないために、ロッカーの数値化が不可欠です。
優れたボードを再現するためにはその数値で作られたロッカーテンプレートを作らなくてはなりません。
ボードの長さが少し変わるだけでロッカーも変わります。
各メーカーは莫大な数のロッカーテンプレートを保存する必要がありました。

このシェイプマシンH1は、コントロールは手動ですが、フレックス性を持ったロッカーガイドに沿ってプレーナーを走らせロッカーをカットする方式のものです。
他のシェイプマシンと異なり、数値で直接ロッカーを管理する方式を持つため、ロッカーテンプレートをいちいち作る必要がなく、当時としては画期的なものでした。

コンピュータで計算した最適な数値をロッカーに用いたり、逆に最速のボードのロッカーを計測し、この機械を使って再現していました。

サーフボードの数値化はOGM最大のテーマです。
当時の設計図というかラフスケッチがこれです。
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SuperFoil (1996)

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OGM社は1996年から、現在のようなカスタムシェイプマシンを稼働させていました。
当時OSは、まだ発売して間もないWindows95、マシンをオペレートしていたのはMS-DOSでした。SFroom
SuperFoilは今までの量産型シェープマシンとは違います。
現在、世界で主に稼動しているシェープマシンのシステムは、まず、シェーパーが手で削ったボードをスキャンして、コンピュータの中に数値データとして取り込みます。
そのデータをもとに、機械がコピーボードを製作するわけですが、このデータは、たがいに関連性のない数値の集まりにすぎないため、基本的には、単なる拡大や縮小くらいしか変更ができません。
ちょうどコンビニにあるコピー機のようなものです。
違ったタイプのボードを作るためには、また、新たに手でシェープし、スキャンし直さなくてはならないのです。
お店にたくさんならんでいる大量生産型のストックボードを作るには良い方法かもしれませんが、カスタムオーダーやマジックボードを作るには決して良い方法とは思えません。
ハンドシェープにはない再現性はあるかもしれませんが、発展性(進歩)がまったく無いからです。
これに対して、OGM社が開発したシェープデザインシステムSuper Foilでは、ボードのデザインを100%コンピュータ上で行います。
このプログラムにはアウトライン、ロッカー、ボリューム配分はもちろんのこと、レールフォイル、デッキのラウンド係数、ボトムのコンケーブの形状や深さなど、シェープに関するすべてが設計の要素に含まれています。
ボードをデザインするステップはハンドシェープと基本的に同じため、サーフボードに関する知識やセンスは今までどおり重要ですが、プレーナーやノコギリを使うといった職人的な技術や誤差からは完全に解放されます。
そのため、シェーパーのデザイナーやエンジニアとしての能力と想像力が今まで以上に重要になってくることを意味します。
Super Foilは量産型のシェープマシンよりもむしろハンドシェープに近い、カスタムシェープマシンといえます。
こんなことができます。
このシステムは、従来のマシンシェープやハンドシェープではできなかったことを可能にします。
たとえば、他のすべてがまったく同じでロッカーだけが違うサーフボードや、レールのフォイルだけを変化させた2本のボードを作ることができるのです。
今のボードは最高に気に入っているのだけど、あと少しだけセクションをぬけるスピードが欲しいと思った場合、他の部分をまったく変えずにコンケーブだけを深くするとか、テールロッカーだけを少し弱くするといった変更が可能なのです。
この他にも、今持っているサーフボードのイメージのまま、あと2インチだけ長くし、同じテイストのまま少し大波用のセッティングにするとか、あるいはロッカーだけ違う2本のボードで、ビーチブレイクとリーフブレイクを使い分けるなどといったことが可能になります。
もちろん、過去に作られたボードデータはすべてファイルの中に存在するため、いつでも再現することも、加工することも可能です。
OGM社ではこの発展性と再現性を兼ね備えたSuper Foilシステムを使うことで、とくにプロやプロをめざす上級レベルのサーファーに対し、強力なバックアップができると確信しています。

PRB

ogm4514NSA全日本選手権のとき支部対抗で行われるパドルレース用のボードをシェイプしました。
NSAのレギュレーションは長さ2m以下ということで、6’8″の198cm。ogm45144なかなか考えがまとまらず、ほとんどノープランのままシェイプをスタート。
ブランクスは鴨川のシェイプルームの天井で、ほとんど断熱材代わりになっていた20年以上前のウインドサーフィン用のEPSです。
いくら軽いとはいえ、むかしのEPSは、ふかふか、プニョプニョ、近年のEPSの進歩を改めて感じました。
ロッカーが弱いため、ノーズを1mほどカットすると、妖怪「ぬりかべ」ってイメージです。
アウトラインを切った段階ではロッカーがゼロなので、どっちをボトムにしてもシェイプ可能かのう?なんて心の中で言いながらシェイプを続けます。
最初はカヌーのようなラウンドボトムのボードを考えたのですが、NSAのパドルレースはリレー形式でいろんな体重の選手が乗ることを思い出しました。
考えてるうちに気が変わって、サーフボードのようなフラットボトムに変更です。
きっとカヌーみたいなボトムの方が早いだろうな~と思いつつも、波に乗ったときはフラットな方がコントロールしやすいはずだ、などどと自分に言い聞かせてシェイプを続行。
ボトムの弱~~いロッカーをシェイプするのは、けっこうたいへん仮面でした。
デッキのコンケーブはオマケです。
あえて意味を付けるのであれば、パドルの時のコロコロ感を抑えるためかな?
最初は4インチ以上あったのですが、体重の軽い選手にはハードル高いかな?ってな感じで・・・・・・
うまく走ると良いのですが・・・・・・
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KNEE BOARDS

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URASHIMA-4

マンタくん

マーメイド

どっちも君

アッシーくん

大王くん