コラム」カテゴリーアーカイブ

臨時休業のお知らせ

 平素よりOGM Shape Shopをご利用いただき、誠にありがとうございます。

 急ではございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けまして、当店では臨時休業を決定いたしました。

 誠に勝手ながら下記期間を臨時休業とさせていただきます。
 皆様にはご不便とご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解とご協力をお願いいたします。

期間
2020年4月11日~5月6日

 また、期間経過後の営業につきましては通常営業の予定ではありますが、社会情勢を踏まえて期間を延長、または時短営業する場合があります。
 変更時は改めてお知らせいたします。


OGM Shape Shop
神奈川県鎌倉市腰越874−101
TEL: 090-2216-4376
URL: www.ogmsurf.com

OGM 5

 

OGM 5 

カラーはブルーとオレンジの2色

価格 (送料無料)

トライフィンセット 3枚 14500(税別)
クアッドリアーセット 2枚 9800(税別)
マルチフィンセット 5枚 23500(税別)

いずれのセットにもフィンケースとセーフティスクリューが付属します。

スペック

BASE DEPTH FOIL
SIDE 115 120 FLAT
CTR 113 116 50/50
Q-REAR 104 99 80/20

 

 

 

MATRIX GHD

MATRIXシリーズはシェイプルームに来られないサーファーに対して、ライダーと同様の個別ボード調整が行えるシステムです。

あなたに本当にぴったりのサーフボードをシェイプするのはとても難しい作業です。
ハンドシェイプでは、あなたが現在乗っているボードを持ってシェイプルームに来て、そのボードの良いところ、悪いところを話しながら次に作るボードの修正箇所を考えます。
アウトラインは?、ロッカーは?、レールは?、コンケーブの配置は?すべてをそれぞれ計測しながら作業を進めます。
ライダーにはそれぞれの個性があるので、これを行わないとあなたがどんなボードに対してその感触を持っているのかの基準が無くなってしまうからです。
これは、シェイプルームの中でしかできない非常にたいへんな作業でした。

MATRIXシリーズはマシンシェイプです。
このシステムの優れているところは、今あなたの乗っているサーフボードのアウトライン、ロッカー、レール、コンケーブ配置、すべてが詳細にわかっていることです。
そのわかっているボードに対しあなたがどのような評価を持っているのか?
例えばもう少しスピードが欲しいとか、波のトップに上がる角度が欲しいとか、ボードの切返しをもう少し軽くしたいとか、MATRIXシリーズでは、たとえそのボードが目の前になくとも次の新しいボードに正確な修正を加えることができます。

 

MATRIX GHD
ベースとなっているGHDは、OGMコンペボードの中心に位置する代表的なモデルです。

アウトラインやボリュームの配分をボードの中央に集めたデザインは体重の移動に対してのレスポンスが速く、非常にコントロール性の高いボードです。
波の切立ったフェイスやポケットでのカービング性に優れ、さまざまな波の状況でも安定した性能を持っています。

こんなことができます。
まず最初のボードは、あなたとシェイパーとの十分なミーティングの上、このGHDをベースにあなたに最適と思われるサイズを決定して行きます。
もし遠方でOGM ShapeShopへ来られない方は、メールでのやり取りや、添付された動画などを確認しながらレールの調整やコンケーブ配置、ボリューム配分などの修正を考えます。
これがあなたの基準となるモデル第一号です。(好きなモデル名を付けてください)

でも、ここから先がOGM MATRIXの本当の出番です。
MATRIXはシェイプルームに来れないサーファーに最適なボード調整を行うためのシステムです。

次に作るボードは(まだ最初のボードにも乗っていないのに2本目の話でスミマセン)さらに一歩進んだ調整が可能です。
完璧な再現性を持ったシステムなので非常に細かな調整ができます。
たとえば、今のボードは十分気に入っているのだけど、あと少しだけセクションを抜けるためのスピードが欲しいと思った場合、他の部分をまったく変えずにコンケーブだけを深くするとか、ロッカーを調整してスピード性を高めることができます。

想像してみてください。
修正を加えるたびに、あなたのボードは一歩一歩確実にあなただけのマジックボードに近づいていきます。
あなたのボードデータは、病院のカルテと同じです。
前回のボード、前々回のボードなどから的確なボードデザインを推測し、最適なサーフボードを作り出します。
もちろんあなたが過去に作ったボードデータはすべてファイルの中に存在するため、いつでも再現することや、加工することが可能です。

シェイパーへ質問する

 

5’7″ (170cm) 18 3/4″ (47.6cm)
18 7/8″ (47.9cm)
2 3/16″ (5.56cm)
2 1/4″ (5.72cm)
24.3L
25.2L
5’9” (175cm) 18 7/8″ (47.9cm)
19″ (48.3cm)
2 1/4″ (5.72cm)
2 5/16″ (5.87cm)
25.9L
26.8L
5’11″ (180cm) 19″ (48.3cm)
19 1/8″ (48.6cm)
2 5/16″ (5.87cm)
2 3/8″ (6.03cm)
27.6L
28.5L

 

コンケーブの話

近年、サーフボードのボトムデザインの主流は何と言ってもコンケーブだろう。
カテゴリーを問わずほとんどのボードに何らかのかたちでコンケーブが施されている。
とくにショートボードでは年々過激になるマニューバーを求め、選手はより高いボードスピードとクイックなコントロール性を要求する。
その結果、ボードはますます小さくなり、その小さくなったボリュームを補うためのコンケーブはどうしても不可欠なデザインとなってしまった。

コンケーブ自体はVボトムなどと同様に古くから存在し、決して新しいデザインではない。
ただ、その配置や組み合わせによってさまざまなバリエーションを持ち、複雑で非常に奥の深いデザインである。

サーフボードがライダーの重量を支えている力は浮力と揚力だ。
浮力はサーフボードが止まっていても走っていても変化しない。
これに対し揚力は止まっているときはゼロだが、走り出すとその大きさは速度の2乗に比例して増大する。
サーフボードは比較的ボードスピードが遅いとき(パドルやテイクオフ時)は浮力に支配されている。
その後、ボードが走ることにより揚力が発生し、ボードスピードが十分速くなったときにはライダーのほとんどの重量をボトム面からの揚力だけで支えることとなる。

この揚力の発生に非常に大きな影響を及ぼすのがコンケーブなどのボトム面の形状だ。
先ほど述べたように、浮力と違って揚力はボードが走ることによって初めて生み出される動的な力のため、シェープルームの中だけではなかなか研究や分析をすることが難しい。
しかも、その揚力はボードスピードによって大きく変化してしまうため、ボードのコントロール性を維持するのが非常に難しく、ボトムのデザインにはコンケーブの的確な配置が求められる。

開発には、ライダーやシェイパーが実際のテストボードで波に乗り、ボードがプレーニングしている限られた時間の中で得られる感覚的な情報が非常に重要なものとなる。

Masao Ogawa MAUI

私の場合、コンケーブデザインにおける基本的な理論は80年代から90年代にかけてのウインドサーフィンの開発時に得られた数々のデータがベースとなっている。
もう30年ほど前の話になるが、当時、新しいスポーツだったウインドサーフィンのボードシェイプを担当するのは、ほとんどがサーフボードのシェイパーだった。
ディックブルーワー、ジェリーロペス、ジミールイスなど私の尊敬するシェイパーたちはみんなウインドサーフィンの世界でもエキスパートで、それぞれ素晴らしいシェイプデザインを供給していた。

サーフィンの3~5倍の速度ではしるウインドサーフィンはサーフボードの開発に貴重なデータをフィードバックしてくれる。
私はセイリングしている時、50Km近い速度で走るボードの足元の引き波ばかり見ていた。
ボトムへの水のエントリーとリリース、ボードにロールを加えた時の水流の微妙な変化、ターン時のレールの入り方やテールの沈みぐあい。
こんなに間近に見ることのできる方法は今までには存在しなかった。
自分専用の最高の水流実験装置を手に入れた気分だった。

サーファーとして、楽しみでウインドサーフィンにハマッていたはずがいつの間にかシェイパーとしてのめりこんでいる自分に気がつく。
私は幸運にもウインドサーフィンの名門Sailboards Mauiをシェイプするチャンスに恵まれ、当時、年間約200本のペースでセイルボードをシェイプすることになる。
セイルボードはボードスピードが高いため、ほとんどのボードのボトムに何らかの形でコンケーブデザインを組み込む必要があった。
シングルコンケーブ、ダブルコンケーブ、トライコンケーブ、クアトロコンケーブ、スロットコンケーブ、Vコンケーブ、あらゆるコンケーブをテストした。

鈴木啓三郎プロがスペインのタリファで日本のスピード記録を更新

ウインドサーフィンの中にスピードトライアルというカテゴリーがある。
長さ500mの平水面を何秒で走り抜けられるかという単純な競技だ。
80年代後半にジミールイスのシェイプしたスピードボードがヨットの持っていた世界記録を塗り替えたのをきっかけにウインドサーフィンは世界中でスピード記録を競い合うようになる。
この、ただひたすら速くまっすぐに走るという純粋な競技に私は強く引かれることになる。
ボードのデザイナーとしての能力を本当に試せるような気がしたのだ。
500m,のコースの中にはいたるところにブローホールと呼ばれる風の弱い場所が存在する。
そんな場所でも高いスピードを維持するため、抵抗が少なく揚力の大きな効率の良いボトム、すなわち揚力抗力比が重要なカギとなる。
ただ純粋に、スピードだけを理論し、効率だけを求め、ハイドロプレーンやハイドロフォイルなどの可能性も徹底的に勉強した。

1995年 動力を使わない水上クラフトとして日本最速の記録を樹立

しかし、ここでも重要なのはコントロール性だった。
サーフィンと違って平らな海面をまっすぐ走るだけなので、理屈的にはロッカーもアウトラインも直線で良さそうなものだが、海面は真っ平らではなく、かすかなゆがみやバンプが存在する。
まっすぐに走るためには海面に合わせて微妙にコースを修正しながら走る必要があった。
しかも時速80kmの速度では、ちょっとしたギャップにエッジが反応しスピンアウトにつながってしまう。
ただ速いだけではダメで、正確なコントロール性を持ち、しかも乗りやすいボードをデザインする必要があった。
この微妙なコントロールを可能にするために、ほんの少しだけつけたVボトムやロッカー、少しだけ内側にタックさせたエッジなどを加えた。
本来の速く走るという目的とは相反するコンセプトを微妙に取り入れることでボードのスピードは大幅にアップした。
高速での正確なコントロール性は非常に重要な要素だ。
どんなに新しいコンセプトやデザインであってもそれを操るのは人間で、ライダーが扱いやすくコントロールしやすいものでなければその性能を引き出すことはできない。

このスピードボードの開発で得られた情報は、現在でも私のサーフボードにおけるコンケーブ理論の重要な基礎となっている。

上達するサーフボード(初級者編)

IMG_1753

サーフィンを始めたばかりの初級者が早く上達するサーフボードとはどんなものなのでしょうか?
これには、「絶対にロングボード」だという人もいれば、「少し短めで十分な浮力を持ったボード」だという人もいます。
いろいろと意見が別れますが、波のコンディションや体重、年齢やサーフィンの頻度なども考えてボードを選ぶ必要があるのかも知れませんね。

そんな中で、茨城の大洗をベースにサーフスクールを運営しているウエッジの小野瀬さんの意見を伺いながら、初級者が早く上手くなるためにはどのようなボードで練習するのがベストなのかを考えてみました。
小野瀬さんはスクールに入った生徒が、自分の手をはなれ、ひとりで上達して行けるレベルにまでにすることがインストラクターの仕事だと言っています。
スクールは体験レッスンとは違うので、ボードを押してもらって、ただ波に乗れれば良いというのではありません。
自分の力で沖に出て、入って来る波を自分の目で判断し、ボードを岸に向けてパドルをスタートさせ、自分ひとりで波に乗れるようになることを目指しているそうです。
そして、最終的には右と左の基本的なターンをマスターするところまで教えています。

これらの一連の動作をすべて身に付けるためには適正なボードの存在がとても重要なのだと説明してくれました。
小野瀬さんは、長さと浮力が十分にありながらも取り回しが楽で、波に乗ってからコントロールし易いボードの必要性を説いています。

一般のサーフスクールでは、大きくて安定したスポンジ製のロングボードなどを使用していますが、ほとんどの初級者は、波を発見してから自分のところへ到達するまでの短い時間内に、その大きくて重いボードの向きを変えることができません。
そのため最初からノーズを岸に向け、沖に背中を向けて波を待ち、インストラクターの掛け声を合図にパドルをスタートします。
これだと自分で波を見ていないので、いつまでたっても波に乗るタイミングがつかめません。
また、大きすぎるボードでは十分なパドル力も身につきません。
サーフィンの上達のためには、スクールのわりと早い段階で自分のスキルアップにつながるボードを使って練習することが、特に重要だと言っています。20140412112340-thumb-640x480-29魔法のボード
小野瀬さんのスクールで使っているサーフボードは7’6”クラスのミディアムサイズのもので「魔法のボード」と呼ばれています。
10年以上前、初級者のためのボードとしてオーストラリアで特別にデザインされたものだそうです。
幅はさほど広くなく、見た目はごく普通のボードにしか見えません。
ロッカーは弱めですが、ターン性能を考慮して全体的にナチュラルなカーブでしっかりとつながっています。
なぜ「魔法」なのかというと、このボードは乗るのが非常に簡単なので、生徒が勝手にうまくなってしまうのだそうです。(教えるのが上手いからだと言わないところが小野瀬さんらしいですが……)

小野瀬さんは、このボードさえあれば、あとは波に乗るタイミングを覚えることと、乗るために必要なパドル力を身に付けること、この2つだけだと言い切ります。
彼のスクールの大半はこのボードの扱い方だけを教えます。
生徒は自分で沖に出て、波を選び、自分の力でテイクオフします。

このボードはゆっくり傾ければ自然に曲がるようにできているので、波に乗るための練習をしているうちに楽しみながら勝手に十分なパドル力とターンに必要なバランスを身に付けてしまうそうです。

たったこれだけ?
と思うかも知れませんが、この一連の動作の中には初級者に必要なすべてのスキルが含まれているのだそうです。

このボードでサーフィンの基本をマスターすれば、自分でスピードを付けることのできないショートボーダーや、ターンのできないロングボーダーは居なくなるだろうと、小野瀬さんは言っています。

 

OGMエントリーボード
OGMでは小野瀬氏がレッスンで使用しているボードを参考に、初級者が自分の力でレベルアップしていけるためのベストな入門ボードを考えてみました。
このボードは最新のマシンシェイプで制作することにより大幅にコストを削減しています。
通常のハンドシェイプでこの大きさのボードを作ると価格が15万円を超えてしまいます。
まだ自分の乗り方の定まっていない初級者にハンドシェイプで行っている個別の調整は不要だと判断しました。
モデルごとの安定した性能を引き出しやすいマシンシェイプを活用し、長さ、幅、厚さなどのオーダーに対応しています。

OGM ENTRY の詳細はこちら
ogm549524

 

 

 

スコアーのしくみ(その5)

スコアーのしくみ5

ジャッジの仕事は「上手いサーフィンにより高いポイントを与える」ことです。
これはWCTでも、ローカルコンテストでも変わりません。
では、そのうまさとは何を基準に判断しているのでしょうか?

ルールブックの中には、ジャッジが何について判断し、どのようにスコアを決定すべきなのかを書いた「ジャッジ基準」というものが存在します。
ジャッジ基準は選手とジャッジとの間で交わされた採点に関する取り決めで、ジャッジはこの基準に一番近いサーフィンをした選手に一番高い得点を与えます。
これは選手からすると、どんなサーフィンをすれば高い得点がもらえるのかが書かれているわけですから、ジャッジ基準ようなサーフィンをすれば試合に勝てるし、認定試験にも合格できることになります。

ジャッジ基準は何年かごとに書き換えられています。
その時代のトップサーファーとその時のWSLインターナショナルヘッドジャッジとが話し合い、新しいサーフィンのマニューバを取り入れながら、どのようなサーフィンの技術が一番高く、一番上手いのかを考えて文章にしています。

ジャッジ基準
これが世界中で行われるほとんどの試合でベースとなっている「WSLジャッジ基準」の最新版です。

プロもアマチュアもジャッジ基準は世界共通です。
試合に勝つための答えはすべてこの中にあります。

WSL Judging Criteria
Surfers must perform to the WSL judging key elements to maximize their scoring potential.

Judges analyze the following major elements when scoring a Ride:

  •  Commitment and degree of difficulty(コミットメントと難易度)
  •  Innovative and progressive manoeuvres(革新的で進歩的なマニューバ)
  •  Combination of major manoeuvres(メジャーマニューバの組み合わせ)
  •  Variety of manoeuvres(マニューバの多様性)
  •  Speed, power and flow(スピード、パワー、フロー)

NOTE: It’s important to note that the emphasis of certain elements is contingent upon the location and the conditions on the day, as well as changes of conditions during the day.
NOTE: The following scale may be used to describe a Ride that is scored:
0–1.9 = Poor;  2.0–3.9 = Fair;  4.0–5.9 = Average;  6.0–7.9 = Good;  8.0–10.0 = Excellent

ジャッジ基準には独特の用語が使われています。
ツアージャッジ達が実際のジャッジルームの中で使っているニュアンスをもとに、解釈のポイントを説明しますので、ぜひこの基準を自分のものにしてください。

コミットメント(積極性)
ジャッジの間では、高いリスクを払っているかどうかを見極める重要な言葉として、しばしば登場します。
波の最もきびしいセクションに果敢にアタックするマニューバには特に高いスコアを与えています。
また、1つのライディングの中で、いつ、そのマニューバを行ったのかも得点に影響します。
難しいマニューバをライディングの最初に入れる方が最後に入れるよりリスクの高いのは明らかで、ジャッジがファーストマニューバを重視するのはこのためです。

難易度
ジャッジはマニューバの難しさに得点を与えます。
マニューバーの回数やライディングの長さではなく、技術のレベルをスコアで表現します。
マニューバの量ではなく、質が重要です。

革新的で進歩的なマニューバ
今までに見たこともない新しいマニューバや、現在のマニューバをさらに進化させたものに挑戦してほしいという願いを込め、高い評価をしています。

メジャーマニューバの組み合わせ
マニューバを組み合わせること、そのつながり、連続させることの難しさを評価に加えています。

マニューバの多様性
サーファーが同じマニューバを何回も繰り返す単調なものではなく、ジャッジは1つのライディングの中に多種類のマニューバを要求しています。

スピード、パワー、フロー
スピードとパワーについては、トラックの深さ、レールの寝かせ方、スプレーの大きさなどから判断できるはずです。
この3つはすべてのマニューバの判断の基本となる部分です。
フローは、マニューバのつながりと共に、クリティカルなセクションの使い方や、波を読んだ的確なマニューバの組み立て方なども評価の対象としています。

NOTE:
そして最後に注意として、ジャッジ基準の中のどれを重視するかは、その試合の行われているロケーションや、その日のコンディションによって変化すると書かれています。

たとえばトラッセルズのようなポイントでは、革新的で進歩的なマニューバやその多様性が大きく評価されています。
それに対してパイプラインなどのきびしい波では、エアリアルなどではなく、チューブの深さやテイクオフのポジションなどをコミットメント(積極性)や難易度を使って高く評価します。
また通常の試合では、波の大きさの違いをあまり評価に加えていませんが、ワイメアのような特別に大きな波での試合の場合は、波のサイズが重要な要素となります。
巨大な波にテイクオフするサーファーというのは、最大級のコミットメント(積極性)を示すこととしてジャッジは高く評価しています。

 

スコアーのしくみ(その4)

401283_379776568775456_226037716_n

下駄を履かせてはいけません。
採点で10点満点をフルスケールで使うということは、良くないサーフィンにも高い点を与え、スコア全体を引き上げると言う意味ではありません。
良いサーフィンにはより高く、良くないサーフィンにはキッパリと低い点数をつけ、スコアにメリハリをつけると言う意味です。

ふつうのマニューバなのに、何回も繰り返されることで点数が上がってしまい、グッドスコアになってしまうことがあります。
また、レールの使われていないマニューバが繰り返されているのに、アベレージスコアを使ってしまうこともあります。
ジャッジはマニューバの回数やライディングの長さにまどわされてはいけません。
マニューバのクオリティをしっかりと見ることが大切です。

良いマニューバが入ったライディングにはグッドスコアを。
エクセレントなマニューバが入ったライディングにエクセレントスコア。
ふつうのマニューバしか入っていなければアベレージスコアを使います。

同じグレードのマニューバが何回連続で繰り返されたとしても、その採点スケールの範囲の中で評価を考えます。
決してその採点のカテゴリーを飛び越えて上のスコアを使わないようにします。
これを守るだけでスコアは非常にスッキリとしたものとなります。
レールの入っていないプアーなマニューバを何回繰り返してもプアースコアにしかなりません。

あqwFullSizeRender

ジャイアント馬場の16文キックはエクセレントスコアですが、グレート東郷の塩まき目つぶしや、ミスター珍のゲタ攻撃はプアースコアでお願いします。

もし自分のスコアが伸びないなと思ったら、そのマニューバがあまり評価されていないということです。
ジャッジはマニューバの難易度に点数をつけます。

ジャッジ基準を読み返してください。
そこには高いスコアを得るための答えが書いてあります。

  • スピード、パワーは十分ですか?
  • マニューバのつながりはどうですか?
  • レールはしっかり使われていますか?
  • コミットメントはありますか?
  • マニューバのポジションはどうですか?
    波のクリティカルな場所を逃げていませんか?
  • その技は革新的で進歩的ですか?
  • マニューバの種類は豊富でしたか?
  • コントロールはどうですか?
    バランスはくずれていませんでしたか?
  • そのセクションで行ったマニューバは最適でしたか?
    もっとぴったりの良いマニューバはありませんでしたか?

ケリースレーターだって同じ基準で採点されています。
ジャッジはジャッジ基準に従って採点します。

スコアーのしくみ(その3)

 

スコアーレンジ

ジャッジは、採点スケールにしたがってスコアを決定します。
採点スケールとは、ジャッジシートの下の方に書かれているグッドとかエクセレントとか書かれているスコアの区分のことです。

ジャッジはライディングを分析し、
良いライディングだなと思ったらグッドスコアの中から、
ふつうのライディングだなと思ったらアベレージスコアの中から、
その採点スケールの範囲の中で最適なスコアを決定します。

ジャッジは点数にはっきりとした差をつけるため、2点や3点の低い点数の範囲で勝敗を決めるのではなく、なるべく10点満点のスケールをいっぱいに使って採点するように教育を受けています。

この採点スケールは、スコアの幅を持たせるために非常に有効なものとなります。
たとえば、あるライディングに対し、ジャッジが5点をつけたとします。
それを見て、ヘッドジャッジがたずねます。
「今のライディング、どうだったかな?」
そのジャッジは、
「良かったよ。」
と答えたとします。

すると、ヘッドジャッジは、
「良かったと思うのだったら5点じゃなくて、採点スケールのGood(良い)6.0~7.9 の範囲の中でスコアすればもっと幅広く10点満点を使えるよ。」
とアドバイスするでしょう。

ジャッジが10点満点のスケールを幅広く使うことによって、実力のある選手が勝ち上がる確立が高くなります。
プロクラスの試合でグッドライド(6.0~7.9)のスコアーを出すことは容易ではありません。

おそらく1本のライディングの中に、難易度の高いマニューバを最低1~2回ほど組み入れる必要があるでしょう。
これは、実力のあるサーファーでないと出せないスコアーです。
それに対して、3ポイント程度のスコアーは1本のライディングの中に簡単なマニューバを1回入れれば出せてしまいます。

何らかの事情で、その上手いサーファーがヒート時間内に、うまく波にめぐりあわず良いライディング1回しか乗れなかった場合、もしそのスコアーに5点しかついていなかったとすると、簡単なマニューバが1回しか入っていない3点ライディングを2本乗った選手に合計で負けてしまうことが起こります。
もしエクセレントなサーフィンにジャッジが7点しか出すことができなければ、アベレージな4点のライディングを2本乗った選手に負けてしまうのです。

われわれジャッジは、ライディングに含まれるマニューバを正しく評価し、素晴らしいサーフィンを行った選手がしっかりと勝ち上がって行けるジャッジングをめざしたいものです。

スコアーのしくみ(その2)

1268

「残り時間1分!」
「ホワイトの選手乗りました!」
「現在2位のレッドの選手を逆転するために必要なスコアは
5.18ポイント!」

ヒート終了間際、ホワイトの逆転のかかったシチュエーション。
そんな時、私たちジャッジが何を考えて採点しているのかを話してみます。
これは、あくまでも私の点数の決め方ですが、おそらく他のジャッジたちも似たようなことを考えてスコアしているだろうと思います。

まず逆転スコアの5.18ポイントですが、アナウンスがずっとガンガン言っているので当然ジャッジの頭の中に入っています。
でも、私は自分がこのスコアを入力したら逆転するとか、しないだとか、あまり深く考えていません。
なぜなら、発表される得点は他のジャッジとのスコアで作られる平均点なので、自分の点数だけでは決まらないからです。
しかも、大きすぎるスコアや小さすぎるスコアは、コンピュータにはじかれてアベレージに反映されなくなるように集計システムが作られています。

この時、私たちジャッジがすべきことはただ一つ、ライディングを冷静に考え、自分の意見としてのスコアを入れることだけです。

ヒートが始まったばかりであれば、わりと広い範囲の中でスコアを決定できますが、ヒート終了間際になって来ると、ジャッジシートの中にはたくさんの確定したスコアが存在しています。
ヒートの後半で新たなライディングを採点するときは、すでに入力し終えた自分の点数ををしっかりと考慮しながら決定しないと試合結果が間違ったものになってしまいます。

CCI20160211_00000

上のスコアシートを見ながら先ほどのシチュエーションを考えてみます。

終了間際に乗ったホワイトの選手のライディングが5.0点くらいだろうなと思ったならば、それと比較すべきライディングはイエローの3本目です。
このイエローの5.0点のライドがどのような内容であったかを頭に思い浮かべてみます。

「最初のマニューバはちょっと甘かったけど、2回目のはわりときびしかった。3回目のカットバックも悪くなかったな」
こんな感じです。

それに対して今回乗ったホワイトの6本目のライディングを思い出してみます。
「なかなか良いターンも入っていて、うまくまとまったライディングだったけど、イエローの2個目のマニューバのようなきびしいターンは入っていなかったぞ」
ここで私はこのホワイトのライディングに5.0点以上のスコアを出せないことを認識します。
この段階で、私のスコアシートの中では、ホワイトの逆転は無くなりました。

こんどはその下のスコアであるレッドの4本目の4.5点ライドと比較してみます。
「レッドは、確かきれいなコンビネーションのターンだったけど少しパワーが足りなかったかな、あのライディングよりも今回のホワイトの方が良いサーフィンだと思う」
これで私は、ホワイトに4.5点以上のスコアを入れるべきだという結論に達します。

このように考えると、私がこのホワイトのライディングに対して使えるスコアーは4.6、4.7、4.8、4.9しかありません。
イエローのライディングに近ければ4.8を、レッドに近ければ4.7を、限りなくイエロー近いと思えば4.9を使います。
このようにヒートの後半では、使えるスコアがかなり限定的なものとなってきます。
ジャッジはライディングの雰囲気や思いつきでスコアを決定できません。

スコアは、おたがいに違うと思いますが、他のジャッジたちもそれぞれこんなことを考えながら点数を付けているはずです。
そして、5人のジャッジのうち、上下2人のスコアはカットされ、真ん中3人のスコアの平均点が発表されます。
このときホワイトの選手が逆転するとかしないとかは、ジャッジ個人の意識の中にはありません。

このようにして相対的に決定されているスコアは、1本1本バラバラに思いつくスコアと違って、観ている人たちにとっては、あるときにはきびしく、あるときには甘く感じることが起こるかもしれません。
よく観客の中で、
「今のホワイトのライディングは最低でも5.2ポイントはあったはず、このジャッジの点数はおかしい」
などと意見する人がいますが、
そのライディング1本だけでの判断ではなく、そのヒートの最初から最後まで、すべてのスコアを比較して見てもらえれば、妥当なスコアだったということがわかっていただけると思っています。

スコアーのしくみ(その1)

IMG_0869-1024x765

「あれ~?、おかしいな~?、いつもだったら5、6点は出るのに、4点か〜、
この試合のジャッジは俺のこと嫌いなのかな〜?」
こんな話を聞くことありますよね。
でも大丈夫、安心してください。
ジャッジは好き嫌いで点数をつけません。

しかし、同じライディングに対してスコアーが変わってしまうことは実際に起こりうることなのです。
今回は、どうしてそのようなことが起こってしまうのか、採点のしくみの部分から説明してみます。

サーフィンのジャッジは何をしたから何点という点数のつけ方をしていません。
オフザリップを2回してカットバックしたから5点だなんて言う決まりは何もありません。

10点満点についても同じです。
たとえば
WCTで、パイプラインやタヒチのものすごい波での10点もあれば、同じWCTでも、オンショアのジャンクな腰波での10点もあります。
この2つのライディングはまったく違ったものなのに同10点が使われています。
もう一つはディビジョン(クラス)が違う場合です。
プロクラスでの10点もあれば、ビギナーズクラスの10点もあります。
当然それらのライディングが大きく違うことはお分かりになると思います。

サーフィンの採点では、波のコンディションの違いによってサーフィンのパフォーマンスが大きく変わってしまうため、絶対評価ではなく相対評価を使っています。
試合方式もヒートと呼ばれる2~4人の小さなグループを作り、その中で勝ち上がった選手同士が次のラウンドでまた新しいヒートを作って戦うトーナメント方式をとっています。
これだと同じヒートの選手は同じ条件で戦うわけですから不平等はかなり少なくなります。

相対評価は比較して点数を決めるスコアーのことです。
新しいライディングに対して、ジャッジは同じヒートのスコアーシートの中でそれに一番近かった(クオリティーが一番似ている)ライディングを思い出しながらスコアーを考えます。
今のライディングがその基準となるライディングより良かったと思えばそれより高いスコアー、悪かったと思えばそれより低いスコアーを入れます。
例えばこんな感じです。
今のライディングはRedの3本目につけた4.5点のライディングより良くて、Yellow2本目につけた5.0より悪かったので4.7点をつけるとか言った感じです。

404987_379776555442124_335178419_n

ジャッジは雰囲気や気分、思いつきで点数はつけません。
ライディングを記憶して、そのマニューバを分析し、他の選手のスコアーを思い出し、スコアーシートに書き、コンピュータに入力します。
記憶があいまいな場合はリプレイシステムを使って検証します。
これをヒート中ずっと繰り返します。

4点しか出さなかったのは、他の選手が乗ったそれより良いと思ったライディングに対して4.5点のスコアーがすでに確定しているからです。
もし6点出たとすれば、それより悪いと思ったライディングに対してすでに5.5点のスコアーを与えているからです。
理由はただこれだけです。
選手は次から次へと波に乗ります。
ジャッジにはその選手が好きだとか嫌いだとか考えているヒマはありません。

試合中は一つのライディングのスコアーに一喜一憂せず、もし自分のスコアーが伸びないなと感じたら相手のサーファーが自分より良いライニングをしているのだと解釈してください。
相手のサーファーより良いライディングをすることで、はじめてそれより高いスコアーを手にすることができるのです。