スコアーのしくみ(その3)

 

スコアーレンジ

ジャッジは、採点スケールにしたがってスコアを決定します。
採点スケールとは、ジャッジシートの下の方に書かれているグッドとかエクセレントとか書かれているスコアの区分のことです。

ジャッジはライディングを分析し、
良いライディングだなと思ったらグッドスコアの中から、
ふつうのライディングだなと思ったらアベレージスコアの中から、
その採点スケールの範囲の中で最適なスコアを決定します。

ジャッジは点数にはっきりとした差をつけるため、2点や3点の低い点数の範囲で勝敗を決めるのではなく、なるべく10点満点のスケールをいっぱいに使って採点するように教育を受けています。

この採点スケールは、スコアの幅を持たせるために非常に有効なものとなります。
たとえば、あるライディングに対し、ジャッジが5点をつけたとします。
それを見て、ヘッドジャッジがたずねます。
「今のライディング、どうだったかな?」
そのジャッジは、
「良かったよ。」
と答えたとします。

すると、ヘッドジャッジは、
「良かったと思うのだったら5点じゃなくて、採点スケールのGood(良い)6.0~7.9 の範囲の中でスコアすればもっと幅広く10点満点を使えるよ。」
とアドバイスするでしょう。

ジャッジが10点満点のスケールを幅広く使うことによって、実力のある選手が勝ち上がる確立が高くなります。
プロクラスの試合でグッドライド(6.0~7.9)のスコアーを出すことは容易ではありません。

おそらく1本のライディングの中に、難易度の高いマニューバを最低1~2回ほど組み入れる必要があるでしょう。
これは、実力のあるサーファーでないと出せないスコアーです。
それに対して、3ポイント程度のスコアーは1本のライディングの中に簡単なマニューバを1回入れれば出せてしまいます。

何らかの事情で、その上手いサーファーがヒート時間内に、うまく波にめぐりあわず良いライディング1回しか乗れなかった場合、もしそのスコアーに5点しかついていなかったとすると、簡単なマニューバが1回しか入っていない3点ライディングを2本乗った選手に合計で負けてしまうことが起こります。
もしエクセレントなサーフィンにジャッジが7点しか出すことができなければ、アベレージな4点のライディングを2本乗った選手に負けてしまうのです。

われわれジャッジは、ライディングに含まれるマニューバを正しく評価し、素晴らしいサーフィンを行った選手がしっかりと勝ち上がって行けるジャッジングをめざしたいものです。