OGM Surf Logs」カテゴリーアーカイブ

スコアの仕組み5ー①

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「えっ、おかしいな? いつもなら56点は出るのに、今回は4点か
この試合のジャッジは俺のことが嫌いなのかな?」

こんな話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
でも、安心してください。
ジャッジは選手の好き嫌いで点数をつけることはありません。
しかし、同じようなライディングでもスコアが変わることは実際にあり得るのです。
今回は、その理由を採点の仕組みから説明します。

サーフィンのスコアは固定ではない

サーフィンの採点は、「特定の技をしたら何点」といった絶対的な基準では決まりません。
例えば、「オフザリップを2回してカットバックをしたから5点」といったルールは存在しません。

また、10点満点の基準も固定ではありません。
例えば、WCT(ワールドチャンピオンシップツアー)では、タヒチやパイプラインの大波での10点もあれば、オンショアのジャンクな腰波での10点もあります。
同じ10点でも、ライディングの内容はまったく異なります。

さらに、ディビジョン(クラス)によっても評価基準は異なります。
プロクラスの10点と、ビギナーズクラスの10点は当然ながら違うものです。
このように、スコアは環境やクラスによって変わるため、サーフィンの採点には相対評価が用いられます。

相対評価とは?

サーフィンのスコアリングでは、絶対的な基準ではなく、その試合の波のコンディションや他の選手のライディングと比較して点数が決められます。

試合は「ヒート」と呼ばれる小さなグループ(24人)で行われ、勝ち上がった選手が次のラウンドで新しいヒートを作って戦うトーナメント方式です。
この方式により、同じヒートの選手は同じ条件で競うことになり、不公平が少なくなります。

ジャッジは新しいライディングを見たとき、同じヒートのスコアシートの中から、クオリティが最も近いライディングを基準として考えます。
その基準より良ければ高いスコア、劣っていれば低いスコアがつけられます。

例えば、
今のライディングはこのヒートのRed3本目(4.5点)より良く、Yellow2本目(5.0点)より劣る 4.7
というように判断されるのです。

ジャッジは感情で採点しない

ジャッジは雰囲気や気分でスコアをつけるわけではありません。
そのヒート中のライディングを記憶し、マニューバ(技)の分析を行い、他の選手との比較をしてスコアを決めます。
記憶が曖昧な場合はリプレイシステムを使って検証しながら、ヒート中ずっとこれを繰り返します。

4点しか出なかった」と感じるのは、すでに他の選手のライディングに対して4.5点が確定しているため、それより評価が低いと判断されたからです。
逆に「6点がついた」のは、それより悪いライディングに5.5点がついているためです。
ただ、それだけのことなのです。

試合中は、1本のスコアに一喜一憂するのではなく、もしスコアが伸びないと感じたら「相手のサーファーのライディングの方が良かった」と考えてください。
相手より優れたライディングをすることで、はじめてそれ以上のスコアを得ることができるのです。

 

シェイプをリンクさせる

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こんな経験、ありませんか?

「今日は波が大きいけど、いつも乗っている短いボードの方がしっくりくる。長いボードを使うよりもテイクオフはちょっときついけどね
本当はどんな波でも1本のサーフボードで対応できれば理想的ですが、ヒザ波とオーバーヘッドの波では、波のパワーや求められるマニューバーがまったく異なります。
すべてのサイズの波で完璧に機能するボードを作るのは簡単なことではありません。

そのため、波のサイズに応じて複数のボードを使い分ける必要が出てきます。
しかし、各ボードの乗り味が大きく異なっていたり、波のレンジ(適応範囲)が明確に割り振られていなかったりすると、スムーズな乗り換えが難しくなります。

私は、2本以上のサーフボードをまとめてオーダーされた場合、それぞれのボードの完成度はもちろん、ボード同士がスムーズに乗り換えられるよう、互いのつながりを意識したシェイプを心がけています。
単純にマシンでボードの拡大・縮小をすれば簡単だと思うかもしれませんが、そんなに甘くはありません。

マシンによる拡大・縮小は、体重の異なる2人のサーファーには有効な場合もありますが、1人のサーファーが異なるサイズの波に対応するボードを作る場合には役に立ちません。
なぜなら、ボードスピードや波のパワーの変化が考慮されていないからです。
モデルを変えることで対応することもできますが、その場合、ボード間の「つながり」は失われてしまいます。

 

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つながりを重視したシェイプには、個別のコンセプトは必要ありません。
波のサイズが変われば、ボードのスピードやターンの大きさ、マニューバの種類まで変わってきます。
小波では、波のパワーを効率良くスピードに変換することを重視してデザインしますが、大きな波では逆に、パワーをうまく逃がしながら正確にコントロールできるボードが求められます。
さらに、波をつかまえるために必要なパドル速度も変わるので、そのための浮力設計も重要です。

アウトライン、ロッカー、ボリューム配分、レールフォイル、コンケーブといった要素を、少しずつ変化させながら全体としてつながりを持たせることが、デザインには欠かせません。
1本のボードをシェイプする際には、他のボードの特性も常に意識しながらシェイプを進め、乗り味に連続性を持たせていくのです。

これが、OGMでいう「同じサーフボード」です。
形やサイズは違っても、波のサイズが変わったとき、まるで同じボードに乗っているような一貫したフィーリングを得られます。
こうして作られたサーフボードのグループは、波の大きさの変化にも柔軟に対応できます。
波が大きくなったら、ただボードをひと回り大きいものに変えるだけでOK
まるで同じボードの延長線上でライディングしている感覚です。

このように、ボード同士をリンクさせたシェイプによって、どのボードを選んでも一貫した乗り味が得られるのです。

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レールサーフィン

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短くて幅広く、丸くて平らなサーフボードに乗ると、誰でも簡単に即座にターンすることができます。

小さな波であれば、スープやリップに当てることも可能かもしれません。

このタイプのサーフボードはフラットな形状であり、ボトムの腹部を使ってターンするため、ノーズの向きが頻繁に変わります。
このノーズを左右に振る動作は「Yaw(ヨー)」と呼ばれますが、ジャッジの評価対象にはなりません。
なぜなら、レールを使っていないからです。

もう一度強調しますが、サーフィンのターンにおいて「Yaw(ヨー)」は適切ではありません。

 

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どこかの誰かの写真をお借りしました。ありがとうございました。

このケリーのカットバックの写真をご覧ください。

リップの直前に、カットバックのトラックの始まりが見えます。
ケリーのボードのノーズが180°回転するまでに、ボードが進んだ距離(トラックの長さ)は、おそらく5メートル以上、場合によっては10メートル以上に及ぶでしょう。

本物のサーファーのカットバックは、単にノーズを横に振るだけの小さな動作ではありません。
想像以上に大きな動きで、波のトップからボトム、カールの端からショルダーの端まで、広いスペースを使って行われます。
一方、ノーズを左右に振るだけのサーフィンでは、わずか1メートル四方程度のスペースでマニューバを行っているに過ぎません。

落ちてくるリップにボードを当て、元の進行方向とは逆にノーズを向けることで、オフザリップやカットバックを完璧に決めているつもりかもしれません。
しかし、実際には周りの誰の目にも止まりません。
ボードがまともに走っていないため、波の上にトラック(軌跡)が何も残りません。

 

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ちなみに、私はシェイパーなので、この写真の中でケリーのボードがどれほどロールしているのかをシェイププログラムを使って検証してみました。
シェイプルーム内のボードに、この写真と同じ角度に見えるようRoll(ロール)とPitch(ピッチ)を加えてみたのです。

 

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2枚目の画像は、視点を変えてノーズ側からボードを見たものです。
すると、ボードが想像以上にロール(傾き)していることが分かります。
また、ターンするためにはロッカーが非常に重要であることにも気づくでしょう。
さらに、ターンを安定して維持するためには、ボードの速度による遠心力とレールのフォイル、ボリュームのバランスが大きな役割を果たしているのです。

 

「良く走るサーフボードは曲がらない」なんてウソです。

ボードは、スピードを持って走ることで曲がります。
サーフボードがターンするのは、ロール(傾き)させて走った結果なのです。
そして、ターンの鍵となるのはロッカーの設計です。

これがレールサーフィンです。
サーフィンの基本はボードスピード。
「止まったサーフィン」から卒業しましょう。

 

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コバルトボード

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小さく凝縮された、カッコいいボードを目指して
私は、小さく引き締まったカッコいいサーフボードが好きだ。
子どもの頃、初めて鉄腕アトムの弟・コバルトを見たとき、少しショックを受けた。顔が間延びしていて、どこかマヌケに見えたからだ。
もちろん、ひょうきんで優しい性格のコバルトは今でも大好きだが、サーフボードのデザインとなると話は別だ。
私は、間延びした、締まりのないボードは決してシェイプしたくない。

新しいボードを考えるとき
シェイプをするとき、私は常に浮力、揚力、レールボリュームなどを総合的に考慮しながら、速いテイクオフ、高い加速性、優れた安定性といった性能をボードに盛り込もうとする。
しかし、これらすべてを詰め込もうとすると、どうしても各部の寸法が大きくなりがちだ。
長さ・幅・厚さを維持しようとすれば、ノーズもテールも広がり、アウトラインやロッカーは単調でストレートな形状に近づいてしまう。
ボードのあちこちに“余分”な浮力や幅を持たせることで、同じスペックであっても、全体がどんどん大柄になってしまうのだ。

その結果、トップスピードは落ち、動きは鈍くなり、私が最も嫌う「間延びしたボード」になってしまう。

理想のシェイプとは
私が目指す理想のサーフボードは、必要最小限のボリュームで最大限の揚力を発揮する、小さく引き締まったデザインだ。

これは、すべてのOGMサーフボードに流れるコンセプトでもある。
この理想を追い求めることで、速く、加速性があり、操作性に優れたボードが生まれる。

OGMのサーフボードは、どれもコンパクトに見えるはずだ。
スペック上の数値は他と同じでも、実際にはもっと小柄に感じるはずだ。

私は、テールやレールといった部分だけを見てデザインを決めることはない。
各パーツのつながりを最も重視し、ボード全体が効率よく機能するような設計を心がけている。
そうすることで、各所にたまりがちな“余分なボリューム”を取り除くことができるのだ。

すべてはつながっている
サーフボードは、すべてが曲面で構成されている。
ロッカーとアウトラインも、独立した要素ではなく、相互に影響し合う一体のものだ。
たとえば、ターン中にレールが斜めに沈み込んだ状態を想像してみてほしい。
そのとき、アウトラインはロッカーのように機能し、ロッカーはアウトラインのように作用していることに気づくだろう。

理想のボードとは、ロッカーとアウトラインのあいだに明確な境界がなく、ロールやピッチの角度の変化に応じて、自然にスムーズに切り替わっていくものだ。
それは同時に、デッキラインもボトムロッカーと同じくらい重要な要素であることを意味している。

このように、サーフボードを総合的・全体的にとらえることが、私のシェイプの出発点だ。
そして、そこから徹底的に、容赦なく「削ぎ落とす」作業が始まる。

削ぎ落とすことで生まれる、真のスピードと快適さ
余計なボリュームを持たないサーフボードは、スピードに優れ、乗り味も快適だ。
この設計思想を貫くことで、高性能でありながら、扱いやすく、小柄なボードが完成する。

こうした考えを、私はすべてのシェイプにおいて繰り返し、心の中で確かめながら実践している。

シェイプは芸術であり、物理学である
シェイプの過程では、戸惑いや迷いも多い。
だが、強い意志をもって思考を積み重ねていけば、すべての謎は必ず解ける。
サーフボードのシェイプは芸術であると同時に、物理学と数学の領域でもある。
デザインを決定する上で、それらの知識は非常に重要だ。
失敗の原因を突き止め、次に活かすためにも、それらの理解は欠かせない。

知識がなければ、同じミスを繰り返すだけだ。
だからこそ私は、理論と感覚の両方を信じて、シェイプという創造のパズルを解き続けている。

 

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こんなボードはゴメンです

 

 

ENTRY

OGMは、レールサーフィンにこだわるサーファーのために、他にはない初心者向けエントリーボードを発売しました。

OGM ENTRYは、単にテイクオフのためのボードではありません。
初心者がレールを使ったターンの基礎を身につけることや、中級者が本物のターンを再習得することを目的としたボードです。

初心者がサーフスクールを卒業し、自分でテイクオフできるようになると、多くの場合、最初に選ぶのは幅広でやや短めのボードです。
短いボードはロッカーを抑え、テールとノーズの幅を広げることでテイクオフを容易にしています。
しかし、このようなボードに慣れると、ターンの技術を習得しにくくなることがあります。

短いボードは前後のバランス(ピッチ)が安定しないため、レールを沈めた状態(ロール)を保つことが難しく、幅広の設計はボードをフラットにしたままノーズの向きを変えやすいため、ノーズを振る(ヨー)だけで曲がれると誤解しやすいのです。

初心者が重要な時期に間違ったターンの感覚を覚えてしまうことで、次のステップへ進むことが困難になるのです。

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ENTRY BOARDSの特徴
OGMのエントリーボードは、通常の初心者向けボードとは大きく異なります。

テイクオフの速さだけを重視したフラットなセンターロッカーではなく、コントロール性に優れた自然な形状のロッカーを採用しています。

ターンの方法は自転車やバイクと同じように、体重をかけてボードを傾けるだけ。
初心者向けでありながら、基本的なターンのメカニズムはプロ仕様のボードと共通しています。
OGMのボードは、静止した状態では曲がらず、走行時に初めてターンが可能になるよう設計されています。

デザインのこだわり
初級者が安心して使用できる安定性を持ちつつ、ターンをしっかり学べるボード作りを目指しました。
幅を広げすぎず、ロールの安定性を適度に抑えることで、ターンの起点をつかみやすい設計になっています。
また、ナチュラルなロッカーに加えて、弱めで長いVボトムを採用することで、レールを使ったターンの安定性を向上させました。

初心者が自分で沖に出て、波を捉え、自分の力でボードを操作するため、取り扱いやすさを最大限に考慮した設計となっています。

適切なボードサイズの選び方
エントリーボードは、ただ大きなボードを選べばよいわけではありません。
初心者でも、体に合ったサイズを選ぶことで上達が早まります。
OGM ENTRYはカスタムオーダーが可能で、価格を抑えるためにマシンシェイプで対応しています。

以下は代表的なサイズと体積の参考です。
幅や厚みの変更も可能ですので、スタッフと相談のうえ最適なサイズをお選びください。
初心者には長くてボリュームのあるボードが推奨されます。
体重の軽い方や女性には、幅をやや細めにオーダーすることを提案します。
レールターンを再習得したい方は、現在お使いのボードより4~6インチ長めのものを検討してください。

長さ 厚さ 体積
6’8″ (203cm) 20 1/4″ (51.5cm) 2 3/4″ (7.0cm) 40.0L
7’0″ (213cm) 21″ (53.4cm) 2 7/8″ (7.3cm) 45.4L
7’4″ (224cm) 22″ (55.9cm) 3″ (7.6cm) 51.9L

 

長く愛用できるボード
このボードは、上達した後も持ち続けていただきたい一品です。
サーフィンではスランプに陥ることもありますが、波が小さい日や調子が上がらないときにこのエントリーボードを使えば、基本を思い出し、本来のサーフィンの楽しさを取り戻すことができるでしょう。

OGMでは、すべてのボードに明確な目的を持たせており、無駄のないデザインを追求しています。

製品仕様
SHAPE :  OGMデザイン+マシンシェイプ
素材 :  PU+ポリエステルラミネート
フィンシステム :  FCS、FCS-2、FUTUREから選択可能
価格 :  ¥128,000(税別)   ※フィンは付属しません
日本製

カスタムサイズのオーダーにも対応していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

シェイパーへ質問する

 

 

 

戦争ばっかの地球人は宇宙人の笑い者

宇宙人の笑い者

もし宇宙のどこかに知的生命体がいるとしたら、
戦争ばかりしている地球人のことをどう思うでしょうか。

広大な宇宙の中で、同じ星に住む者どうしが争い続けている。
その姿は、きっとずいぶん奇妙に見えるのではないかと思います。

カール・セーガン博士の著書COSMOSは、私にとって特別な一冊です。
1980
年の刊行からすでに45年以上が経ちましたが、私はこの本をこれまでに10回以上は読み返してきました。

その中でも、特に心に残っている一節があります。

「手のひら一杯の砂の中には、およそ1万粒の砂がある。これは、晴れた夜に肉眼で見える星の数よりも多い。しかし、私たちが夜空に見ている星々は、宇宙に存在する星のほんの一部にすぎない。目に映るのは、極めて近くにある星だけなのだ。」

私たちが見上げる夜空は、美しく壮大ですが、実際には宇宙のほんの一端にすぎません。
宇宙には推定で1000億個の銀河があり、それぞれの銀河には平均して1000億個の星があると言われています。

つまり宇宙には、地球上のすべての浜辺や砂漠にある砂粒の総数をはるかに超える数の星が存在しているのです。
その広大さと豊かさは、まさに人間の想像を絶するものです。

カール・セーガン博士が原作を手がけた映画『コンタクト』には、こんな印象的なセリフがあります。

「もし宇宙に、私たちしかいないのだとしたら、それはずいぶんとスペース(空間)の無駄遣いだ。」

If it’s just us, it seems like an awful waste of space.

この言葉には、“space”という語に込められた二重の意味が重なっています。
広大な宇宙空間と「空き」という意味です。

宇宙がこれほどまでに広く、多様で、深淵であるにもかかわらず、そこに知的生命体が私たち一種しか存在しないとしたら、それはあまりにも「もったいない」。
そんな深い問いかけが、軽やかな一文に込められています。

セーガン博士は、生涯をかけて地球外生命の可能性を語り続けました。
同時に、この地球という惑星が、数えきれない偶然の重なりの中で誕生した、極めて特別な存在であることも強調しています。

私たち地球人は、まだ他の星の生命体と出会ったことはありません。
もしかすると、この宇宙で生命を育んでいるのは地球だけなのかもしれません。

そう考えると、私たちの存在はとても貴重で、守るべきものだと強く感じます。

それにもかかわらず、人類はいまだに争いをやめられません。
文明がどれだけ進歩しても、歴史は戦争の繰り返しです。
どれほど悲惨な体験をしても、私たちはそこから十分に学ぼうとしていないように見えます。

かつて戦争の惨禍を深く経験した日本でさえ、また「戦争のできる国」へと変わろうとしています。

――もし本当に、生命が存在する星がこの地球だけなのだとしたら、なおさら私たちは、もっと謙虚に、もっと丁寧に生きるべきではないでしょうか。

この記事を書いたのは、もうずいぶん前のことです。
しかし今、世界ではまた新しい戦争が始まっています。

人類は宇宙を語る知性を持ちながら、いまだに争いをやめられません。

宇宙の果てを探ろうとしている文明が、同じ星の上で争いを続けている。

戦争ばっかりしている地球人は、きっと宇宙人の笑い者です。

 

 

 

 

コンペティションボードについて

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私はサーフィンを見るのが好きだ。
特に、上手いサーファーのライディングを見るのは最高に気分が良い。
サーフィンを見たいからジャッジになったわけではないが、ひとたび足を踏み入れるとのめり込んでしまう性格のため、1994年にJPSAから依頼されて始めたこの仕事も、WSL(旧ASP)を含めるとプロコンテストのジャッジだけで年間100日を超え、それをすでに20年以上続けていることになる。

しかし、私はジャッジである前にシェイパーだ。
だから、真っ先に目が行くのは、選手がさまざまなセクションでどのようにボードをコントロールしているのか、あるいはマニューバーでのレールの使い方だ。
上手い選手が見事にサーフボードを操る姿を見るのは本当に気持ちが良い。
絶妙なレールの入り具合、ストレスのないターンの繋がり、、、見ているだけで惚れ惚れしてしまう。
逆に、余計なお世話だとは思いながらも、マニューバーの途中で突然レールが引っかかってワイプアウトしたり、本来抜けられるはずのセクションを抜けられなかったりする選手を見ると、「そのボード、本当に彼に合っているのか?」と、つい心配になってしまう。

こんなことを110時間、年間100日、20年以上も続けていると、ほとんど1本のライディングを見ただけで、その選手とボードの関係性が見えてくる。
「もう少しスピード性の高いボードに変えれば、もっと見栄えが良くなるだろう」
「もう少しロッカーを強くすれば、さらにマニューバーのクオリティが上がるだろう」
といった具合に。

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午前中、クリーンなコンディションで好調に勝ち上がってきた選手が、午後になって風がオンショアに変わると途端にボードスピードが極端に落ち、調子を崩して敗退してしまうことがある。
明らかにボードのアンダーボリューム(浮力不足)が原因だ。
しっかりとしたコーチがいれば、オンショアの風でパワーダウンした波の状況に対してボードチェンジを勧めるだろう。
しかし、これまで好調だったボードを試合途中で自らチェンジするのは非常に勇気のいることだ。
その結果、ボードを変えずに敗退してしまう選手が多い。
これは私のライダーたちにも言えることであるが、もちろん試合中は選手とジャッジが会話することはできないため、いつも試合終了後の反省になってしまう。

WCT(ワールドチャンピオンシップツアー)の選手たちが使うボードは、まさにF1マシンのように、最高のパフォーマンスを引き出すために余計な浮力を削ぎ落とし、バリバリにチューンされている。
最高のサーフポイントで、十分なコンテスト期間が確保され、選手はただ最高の波で演技することだけを考えてボードを選べばいい。
さらに、試合中はしっかりとしたプライオリティシステムが確立されているため、テイクオフの速さを競ったり、波を取り合ったりする必要もない。
ここでは反応の早い、ローボリュームのサーフボードが真価を発揮するのだ。

一方、WQS(ワールドクオリファイシリーズ)や日本国内の試合では、試合期間が短く、良いコンディションを待つ余裕はない。
小波やオンショアの悪いコンディションでも試合することを想定したボードが必要になる。
さらに、4メンヒートが主体となるため、パドルの速さやテイクオフの早さも考慮したボード選びが求められる。
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選手のように多くのボードを持てない選手にとっては、1本のボードでどれだけ幅広く波に対応できるかが重要なポイントとなる。

試合で安定して勝ち上がるためには、さまざまなコンディション、そして幅広い波のレンジで自分のパフォーマンスを発揮できるボードを手に入れることが何より大切だ。

 

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波の優先権 「先に立った方が優先じゃないの?」

 

 

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波の優先権 「先に立った方が優先じゃないの?」

試合中、選手たちはギリギリの状況で戦っています。
そのため、相手選手と接触したり、同じ波に乗ってしまったりと、お互いの演技を妨害する状況が発生することがあります。
こうした場合、ジャッジはどちらが悪かったのかを判断しなければなりません。
今回は、コンテストにおける波の優先権(所有権)の判断方法について説明します。

ファーストスタンディングルールの時代

日本のアマチュア試合では、長い間「ファーストスタンディングルール」が主流でした。
このルールでは、先に立ったサーファーがその波の絶対的な優先権を得ることができます。
たとえ波のショルダー(肩側)にいたとしても、先に立ち上がればその波の権利を得ることができたため、長いボードを使用するサーファーや、体重が軽くテイクオフの早いサーファーにとって非常に有利なルールでした。
このルールはジャッジにとっても非常に判断しやすく、どちらが先に立ったかさえ見極めれば、経験の少ないジャッジでも簡単に判定することができました。
昔、スコアをマニューバーの回数やライディングの長さで採点していた時代の考え方に近いものです。

ルールの変化と進化

しかし、サーフィンの進化とともにマニューバーの基準も変わり、パワーや過激さ、波のクリティカルセクション(最も掘れている部分)での演技が重視されるようになると、この優先権の判断では実態にそぐわなくなりました。
カール(波の最も掘れた部分)に近い厳しいセクションから立ち上がる選手よりも、長いボードでゆるやかなショルダーから先に立った選手に優先権を与えてしまっては、パワフルで難易度の高いサーフィンの未来は育たなくなってしまいます。

現在のルールでは、立ち上がった時間に関係なく、波のカールに最も近いサーファーに優先権が与えられます。
ここで重要なのは、優先権を決定するのはあくまでもサーファーの波に対するポジションであり、「どちらが先に立ち上がったか」ではないという点です。
ファーストスタンディングルールは過去のものとなり、基本的には インサイドポジション(波の奥側) を取ったサーファーにその波の所有権が与えられます。

でも、これはあくまで試合のルール

ただし、これはあくまでもコンテストの中でのルールです。
いくら自分の波だからといって、フリーサーフィンでこれをやっていたら、間違いなく周囲から嫌われてしまいます。
海の中には、子ども、女性、先輩、後輩、レジェンドといったさまざまな立場の人たちが、それぞれ違った種類のボードでサーフィンを楽しんでいます。
ボディーボーダーやSUP(スタンドアップパドルボード)のサーファーもいます。
基本的には、自分よりも弱い立場のサーファーを守ってあげる姿勢を持っているサーファーの方が、ガツガツしているサーファーよりもカッコよく、周囲からも好かれます。

やはり、他のサーファーをリスペクトし、楽しく、仲良くサーフィンをする気持ちが大切ですね!

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クセを個性に

 

photo Dave Yamaya

クセを個性に

これは、サーフクリニックの生徒さんの成長の記録です。
今から2年前、彼のサーフィンを初めて見たときの目標は「NSA2級合格」でした。

ライディング自体は大きく崩れていませんでしたが、ターンの際にスピードが落ち、前足付近のレールが水に刺さって失速する癖がありました。
ボードがスムーズに回転せず、体が前のめりになり、レール全体が水に食い込んでしまう。
前足への荷重はうまくできているものの、ボードがなかなか回転を始めないため、荷重を抜くタイミングが掴めずにいるようでした。

ターンの際に前足に荷重できるのは、サーフィンにおいて重要なスキルです。
彼の良さを活かしながら、クセを矯正し、サーフィンが上達するボードを考えました。

彼の乗っていたボードをチェックすると、いくつか気になる点がありました。

  • ノーズ寄りのレールが少し薄い
  • テールロッカーが弱め
  • テールのボリュームがやや厚い

どれも特別なデザインではないのですが、彼にとってはこれらがすべてノーズを沈ませる方向に働いていました。
これらの要素が重なった結果、彼のライディングに合わない特性が生まれてしまっていたのです。

そこで、彼のクセを矯正するためにシェイプしたのが次のボードです。

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OGM GHD-F 5’9″ x 18 3/4″ x 2 1/4″

  • GHDをベースに、ワイドポイント(W.P.)を1インチ前方へ移動
  • ノーズワイド(NW)を6mm広げる
  • テールワイド(TW)を5mm狭くする
  • それに伴い、ボリュームのバランスもやや前方へ

2級は手ごわいぞ」と思いながら、「うまく乗れるといいな」と期待していました。

 

 

2級合格、そして新たな目標へ

その後、彼はビデオを持って店に来たり、一緒にサーフィンをしたりする中で、少しずつ上達していきました。
そうしているうちに、なんと念願のNSA2級に合格!
よかった、よかった!

そして次のステップへ。
今回の鴨川サーフクリニックで感じたのは、彼がもうこれまでのボードを卒業するタイミングに来ているということ。
前足荷重は、今や彼のスタイルとして確立され、個性となっています。

1級を目指すための課題は、

  • レールの切り返しを早くする
  • ファーストターンをもう少しシャープに
  • マニューバーのつながりを意識し、セクションを読む組み立てをする

そこで、新しいボードは前回の変更をほとんど元に戻しました。
余分なボリュームを省き、全体的にスッキリしたフォルムへ。
ほぼ標準的なGHDで、次は1級合格を目指します!

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OGM GHD-N 5’9″ x 18 3/4″ x 2 1/4″

 

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SuperFoil H1 (1989)

 

SuperFoil H1 (1989)

OGM社が1989年(平成元年)に開発した、初代の自作シェイプマシン(ロッカーマシン)です。
当時、私は31歳(動画の中でも若々しい姿です)。
ウインドサーフィンが爆発的に流行し、ディック・ブルーワーやジミー・ルイスといった名だたるシェイパーたちが、次々とセイルボードのシェイプを依頼されていた時代でした。

ウインドサーフィン界では、揚力と抗力のバランスを最適化しつつ、コントロール性を向上させることが求められ、特に風が安定したマウイでは、日々R&Dが繰り返されていました。
ボードテストでは、同じ失敗を繰り返さないためにロッカーの数値化が不可欠でした。
優れたボードを再現するためには、その数値をもとにロッカーテンプレートを作成する必要があります。
しかし、ボードの長さが少し変わるだけでロッカーも変わるため、当時は各メーカーが膨大な数のロッカーテンプレートを保管していました。

当時は現在のようなコンピュータ制御のシェイプマシンが存在せず、ロッカー管理は非常に手間のかかる作業でした。
そんな中で誕生した「シェイプマシン H1」は、手動制御ながらも、フレックス性を持つロッカーガイドに沿ってプレーナーを走らせ、ロッカーを正確にカットできる仕組みを採用していました。
当時稼働していた他のシェイプマシンとは異なり、数値によって直接ロッカーを管理できる方式を採用していたため、ロッカーテンプレートを大量に作る必要がなく、当時としては画期的な技術でした。

また、コンピュータで計算した最適な数値をロッカーに反映させたり、最速のボードのロッカーを計測し、このマシンを用いて再現することも可能でした。
サーフボードの数値化は、当時のOGMにとって最大のテーマだったのです。

 

当時の設計図というか、ラフスケッチがこれです。

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