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クセを個性に

 

photo Dave Yamaya

クセを個性に

これは、サーフクリニックの生徒さんの成長の記録です。
今から2年前、彼のサーフィンを初めて見たときの目標は「NSA2級合格」でした。

ライディング自体は大きく崩れていませんでしたが、ターンの際にスピードが落ち、前足付近のレールが水に刺さって失速する癖がありました。
ボードがスムーズに回転せず、体が前のめりになり、レール全体が水に食い込んでしまう。
前足への荷重はうまくできているものの、ボードがなかなか回転を始めないため、荷重を抜くタイミングが掴めずにいるようでした。

ターンの際に前足に荷重できるのは、サーフィンにおいて重要なスキルです。
彼の良さを活かしながら、クセを矯正し、サーフィンが上達するボードを考えました。

彼の乗っていたボードをチェックすると、いくつか気になる点がありました。

  • ノーズ寄りのレールが少し薄い
  • テールロッカーが弱め
  • テールのボリュームがやや厚い

どれも特別なデザインではないのですが、彼にとってはこれらがすべてノーズを沈ませる方向に働いていました。
これらの要素が重なった結果、彼のライディングに合わない特性が生まれてしまっていたのです。

そこで、彼のクセを矯正するためにシェイプしたのが次のボードです。

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OGM GHD-F 5’9″ x 18 3/4″ x 2 1/4″

  • GHDをベースに、ワイドポイント(W.P.)を1インチ前方へ移動
  • ノーズワイド(NW)を6mm広げる
  • テールワイド(TW)を5mm狭くする
  • それに伴い、ボリュームのバランスもやや前方へ

2級は手ごわいぞ」と思いながら、「うまく乗れるといいな」と期待していました。

 

 

2級合格、そして新たな目標へ

その後、彼はビデオを持って店に来たり、一緒にサーフィンをしたりする中で、少しずつ上達していきました。
そうしているうちに、なんと念願のNSA2級に合格!
よかった、よかった!

そして次のステップへ。
今回の鴨川サーフクリニックで感じたのは、彼がもうこれまでのボードを卒業するタイミングに来ているということ。
前足荷重は、今や彼のスタイルとして確立され、個性となっています。

1級を目指すための課題は、

  • レールの切り返しを早くする
  • ファーストターンをもう少しシャープに
  • マニューバーのつながりを意識し、セクションを読む組み立てをする

そこで、新しいボードは前回の変更をほとんど元に戻しました。
余分なボリュームを省き、全体的にスッキリしたフォルムへ。
ほぼ標準的なGHDで、次は1級合格を目指します!

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OGM GHD-N 5’9″ x 18 3/4″ x 2 1/4″

 

OGMでは、サーフボード、サーフクリニックなどに関する無料相談を行っております。
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SuperFoil H1 (1989)

 

SuperFoil H1 (1989)

OGM社が1989年(平成元年)に開発した、初代の自作シェイプマシン(ロッカーマシン)です。
当時、私は31歳(動画の中でも若々しい姿です)。
ウインドサーフィンが爆発的に流行し、ディック・ブルーワーやジミー・ルイスといった名だたるシェイパーたちが、次々とセイルボードのシェイプを依頼されていた時代でした。

ウインドサーフィン界では、揚力と抗力のバランスを最適化しつつ、コントロール性を向上させることが求められ、特に風が安定したマウイでは、日々R&Dが繰り返されていました。
ボードテストでは、同じ失敗を繰り返さないためにロッカーの数値化が不可欠でした。
優れたボードを再現するためには、その数値をもとにロッカーテンプレートを作成する必要があります。
しかし、ボードの長さが少し変わるだけでロッカーも変わるため、当時は各メーカーが膨大な数のロッカーテンプレートを保管していました。

当時は現在のようなコンピュータ制御のシェイプマシンが存在せず、ロッカー管理は非常に手間のかかる作業でした。
そんな中で誕生した「シェイプマシン H1」は、手動制御ながらも、フレックス性を持つロッカーガイドに沿ってプレーナーを走らせ、ロッカーを正確にカットできる仕組みを採用していました。
当時稼働していた他のシェイプマシンとは異なり、数値によって直接ロッカーを管理できる方式を採用していたため、ロッカーテンプレートを大量に作る必要がなく、当時としては画期的な技術でした。

また、コンピュータで計算した最適な数値をロッカーに反映させたり、最速のボードのロッカーを計測し、このマシンを用いて再現することも可能でした。
サーフボードの数値化は、当時のOGMにとって最大のテーマだったのです。

 

当時の設計図というか、ラフスケッチがこれです。

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MC1

 

もともと「MC1」は、体重が重いサーファー、体力の衰えを感じ始めたサーファー、そして初中級者向けにデザインされたモデルです。

体重が重いサーファーをしっかりと浮かせるためには、どうしても大きなスペックのボードが必要になります。
しかし、ボードが大きくなると動きが鈍くなり、加速性能も低下してしまうという課題があります。

そこで、MC1ではこうした課題を解決するための設計コンセプトを採用しています。
大きくラウンドしたアウトライン、細く絞り込んだテール、そしてボリュームを中央に集中させたデザインにより、ボード全体がコンパクトに感じられる仕上がりとなっています。

実際のサイズ感を感じさせないこのデザインが、軽快な操作性を生み出しています。
また、この軽快なコントロール性が体重の軽いサーファーや女性サーファーにも高く評価されており、現在では体重やスキル、年齢に関わらず、多くのサーファーに愛されるモデルとなっています。

なお、大きなスペックで製作する場合は、重量が増加することが避けられません。
そのため、このモデルではEPS/エポキシラミネートを選択することも有効な方法の一つとして考えられます。

MC1では、回転性を損なわないスロットチャンネルもかなり有効なデザインとなります

 

5’8″ (173cm) 19″ (48.3cm)
19 1/8″ (48.6cm)
2 3/8″ (6.03cm)
2 7/16″ (6.19cm)
26.4L
27.3L
5’10” (178cm) 19 1/8″ (48.6cm)
19 1/4″ (48.9cm)
2 7/16″ (6.19cm)
2 1/2″ (6.35cm)
28.1L
29.0L
6’0″ (183cm) 19 1/4″ (48.9cm)
19 3/8″ (49.2cm)
2 1/2″ (6.35cm)
2 9/16″ (6.51cm)
29.8L
30.8L

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SuperFoil H2 (1996)

SFroom

OGM社のシェープデザインシステム「Super Foil H2 (1996)

OGM社では、1996年から現在のようなカスタムシェープマシンを稼働させていました。
このマシンは、友人が設計し、町工場に発注して製作。
組み立ては私自身が行いました。
当時、コンピュータのOSは発売間もないWindows 95。サーフボードの設計プログラムは自作し、MS-DOS上で動くBASICで開発しました。
また、マシンを制御するデジタルコントローラはGコードで動作するため、そのプログラムもゼロから作り上げたものです。

Super Foilは、従来の量産型シェープマシンとは一線を画すシステムです。

当時は、現在のように高機能なサーフボード設計ソフトがなく、世界で主流だったシェープマシンは、いわば「コピー機」のようなものでした。
まず、シェーパーが手作業で削ったボードをスキャンし、コンピュータに数値データとして取り込みます。
そのデータをもとに機械がボードを再現しますが、取得されたデータは単なる数値の集合にすぎず、基本的に拡大・縮小程度の調整しかできませんでした。
異なるタイプのボードを作るには、新たに手作業でシェープし、再度スキャンし直す必要があったのです。

この方法は、大量生産されるストックボードには適しているかもしれませんが、カスタムオーダーや「マジックボード」を生み出すには限界があります。
ハンドシェープにはない「再現性」は備えているものの、デザインの発展性(進化の可能性)がないため、シェーパーの創造力を活かしきることはできませんでした。

Super Foilがもたらす革新

これに対し、OGM社が開発したシェープデザインシステム「Super Foil」は、ボードのデザインを100%コンピュータ上で行う、まったく新しいアプローチを実現しました。
このシステムでは、アウトライン、ロッカー、ボリューム配分はもちろん、レールフォイル、デッキのラウンド係数、ボトムのコンケーブ形状や深さなど、シェープに関するあらゆる要素を設計可能です。

ボードデザインのプロセスはハンドシェープと基本的に同じであるため、サーフボードに関する知識やセンスは今までどおり必要ですが、プレーナーやノコギリといった職人的な作業や手作業による誤差から完全に解放されます。
これにより、シェーパーのデザイナーとしての能力やエンジニア的な思考が、より一層求められる時代になりました。
Super Foil」は、量産型シェープマシンとは異なり、むしろハンドシェープに近い自由度を持つ、まさにカスタムシェープマシンといえます。

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Super Foil」で可能になること

このシステムにより、従来のマシンシェープやハンドシェープでは不可能だった細かな調整が可能になりました。

  • たとえば、全ての仕様を同じにしながらロッカーだけを変えたサーフボードや、レールフォイルだけを変更した2本のボードを作ることができます。
  • 現在のボードが気に入っているものの、「もう少しだけ速くセクションを抜けたい」という場合、他の部分はそのままに、コンケーブを深くする、テールロッカーをわずかに弱める、といった調整が可能です。
  • さらに、現在のボードデザインを維持したまま、+2インチの長さでより大波向けにセッティングする、ロッカーの異なる2本を作り、ビーチブレイクとリーフブレイクで使い分ける、といった設計も自在に行えます。
  • 過去に製作したボードのデータも全て保存されているため、再現や微調整も容易です。

Super Foilが切り開く未来

OGM社では、この「発展性」と「再現性」を兼ね備えたSuper Foilシステムを活用することで、特にプロサーファーやプロを目指す上級者に対し、より強力なサポートができると確信しています。

こんなことができます。
このシステムは、従来のマシンシェープやハンドシェープではできなかったことを可能にします。
たとえば、他のすべてがまったく同じでロッカーだけが違うサーフボードや、レールのフォイルだけを変化させた2本のボードを作ることができるのです。
今のボードは最高に気に入っているのだけど、あと少しだけセクションをぬけるスピードが欲しいと思った場合、他の部分をまったく変えずにコンケーブだけを深くするとか、テールロッカーだけを少し弱くするといった変更が可能なのです。
この他にも、今持っているサーフボードのイメージのまま、あと2インチだけ長くし、同じテイストのまま少し大波用のセッティングにするとか、あるいはロッカーだけ違う2本のボードで、ビーチブレイクとリーフブレイクを使い分けるなどといったことが可能になります。
もちろん、過去に作られたボードデータはすべてファイルの中に存在するため、いつでも再現することも、加工することも可能です。
OGM社ではこの発展性と再現性を兼ね備えたSuper Foilシステムを使うことで、とくにプロやプロをめざす上級レベルのサーファーに対し、強力なバックアップができると確信しています。

URASHIMA 4(コンセプトボード・非売品)

URASHIMA 4
このボードの名前は「ウラシマ・クアトロ」。
4フィン仕様で、名前だけでもちょっとカッコいいと思いませんか?

実は、このボードは2006年にシェイプしたもので、シェイプ当時はかなりの苦労をしました。

挑戦のデザイン
まず注目してほしいのが、この極端なアスペクトレシオ!
長さ 5’2”(157cm) に対して、幅が驚異の 25”(63.5cm)。
これ、普通のサーフボードではなかなか見られない比率です。

このアウトラインで直進性を確保するためにはロッカー(ボードの反り)を極力弱める必要があるんですが、やりすぎるとトイレのフタみたいな形になっちゃう。

そこで、亀の甲羅をイメージしながらロッカーを調整し、深いトリプルコンケーブでセンターロッカーを落としつつ、ボード全体の厚みで背中に丸みを持たせました。
苦労したけど、このデザインが結構気に入っています!

なぜ作ったのか?
「なんでこんなボードを作ったの?」と思うかもしれませんが、これはシェイパーとしての挑戦そのもの。
変わったデザインでありながら、サーフボードとしての性能をキープするには、しっかりとしたコンセプトが必要なんです。

普段のオーダーでも、
「薄くて短くてよく動くのに、テイクオフは早く、小波でもガンガン走るボードを!」
みたいな、まさに無理難題なリクエストが来ることがあります。

でも、そういう注文をされるの、実は嫌いじゃないんです。
むしろ大好き!

このボードを作ったのも、そういう「無理を可能にする」練習の一環。
真剣に考えてシェイプしました。

乗り味と最大の敵
さて、肝心の乗り味はどうかというと…。
OGMアニマルシリーズの規定を基準にすると、4ftオフザリップはちょっと厳しい。
でも2ftくらいなら、なんとかこなせる感じです。

ただし、このボードには 唯一の弱点 があります。
それは、25インチという幅の広さ…。
体が硬いせいか、波待ちしていると30分くらいで股関節がめちゃくちゃ痛くなります。

そんなわけで、この URASHIMA 4 は、見た目のインパクトもさることながら、僕の挑戦心と遊び心が詰まった一品です。

非売品ですが、こういうユニークなボードに乗る楽しさをぜひ共有したいです!

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GM

このボードの特徴は、優れた加速性能にあります。

加速性はボードの初速に大きく影響を与える重要な要素です。
このボードは広いテールデザインを採用しており、高い初速とスムーズな加速性を兼ね備えています。
特に、ブレイクの速い波や小さめの波でのボトムターン時には、十分な時間的余裕を生み出します。
この時間的な余裕は、深いボトムターンを可能にし、その後のトップターンやカットバックといった一連のマニューバーの完成度を高める効果を発揮します。

小波でスピードを思うように出せないと感じているサーファーには、このモデル「GM」をぜひお試しいただきたいです。
このボードを通じて、「スピードがすべてを可能にする」という真の意味を実感できるでしょう。

外観の特徴としては、控えめなノーズロッカーと広めのテールが挙げられます。
ボトム形状は、シングルコンケーブからダブルコンケーブに変化し、バックフィン付近では弱めのVボトムへとつながります。
このVボトム部分の調整により、レールの切り返しの軽さをカスタマイズすることも可能です。
また、レスポンスの速さとグリップ力で定評のあるチャンネルボトムとの相性も抜群です。
オーダー時にはシェイパーやショップアドバイザーと相談し、最適な仕様を選ぶことをおすすめします。

このモデルはグリップ性の高いNTVチャンネルとの相性も良い

現在、GHDや他のカーブ系の標準的なコンペティションボードを使用している場合は、通常より約2インチ短いボードをオーダーすると良いでしょう。
このモデルはテールに強いカーブを持たないため、短めのデザインでありながら、大きめの波にも対応でき、幅広い波のコンディションに適応する性能を持っています。

 

5’6″ (168cm) 18 3/4″ (47.6cm)
19 1/8″ (48.6cm)
2 1/4″ (5.72cm)
2 3/8″ (6.03cm)
23.7L
25.5L
5’8″ (173cm) 19 1/8″ (48.6cm)
19 1/2″ (49.5cm)
2 3/8″ (6.03cm)
2 1/2″ (6.35cm)
26.3L
28.3L
5’10” (178cm) 19 1/2″ (49.5cm)
19 7/8″ (50.5cm)
2 1/2″ (6.35cm)
2 5/8″ (6.67cm)
29.1L
31.2L

 

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GHD

OGMコンペティションシリーズの象徴的モデル

OGMコンペティションシリーズの中核を担うこの代表的モデルは、その性能とデザインのすべてが、最高峰のサーフィンパフォーマンスを追求するために設計されています。
大きくカーブしたアウトラインと、ノーズからテールにかけてしっかりと施されたフルコンケーブデザインが、このボードの特徴です。

反応性に優れた設計により、体重移動に素早く応答し、非常に高いコントロール性を実現。
切り立ったフェイスやポケットでの卓越したカービング能力を発揮し、あらゆる波の状況で安定感のあるオールラウンドなパフォーマンスを保証します。
信頼性の高い仕上がりが、このボードをサーファーにとって欠かせないツールにしています。

スピード性能:試合で差をつけるための基本要素

現代のサーフィン競技では、マニューバの前にスピードをつけるための小さな動作(チェックターンやトリミングなど)がジャッジの評価基準として好まれなくなっています。
代わりに、スピードを保ちながら連続して繰り出される大きなマニューバが高得点を獲得する傾向にあります。

このボードは、浮力の重心をセンターよりやや前方に配置。
前足に自然と重心をかけるだけで効率的にスピードを得ることができるデザインです。
スピードはすべてのマニューバの基盤であり、スピードがなければサーフィンは成立しません。
このボードは、試合中に「スピードを付ける」という意識をサーファーの思考から完全に取り除くことを目指して設計されています。

コントロール性能:完璧なマニューバのために

サーフボードをコントロールする方法は、サーファーの微妙な体重移動だけです。
特にコンペティション用ボードでは、波のカール部分や歪んだセクションでのマニューバが求められるため、ボードがどの角度でも水に適応する設計が必要不可欠です。

このモデルでは、自然でスムーズなカーブを持つロッカーとアウトラインを採用し、ボトムにはシンプルなシングルフルコンケーブを使用。
派手な装飾を排除し、無駄をそぎ落としたデザインに仕上げられています。
これにより、正確で安定したターン性能を実現し、試合中のあらゆる場面で優位性を発揮します。

初心者から上級者まで対応するカスタマイズ性

このモデルは、スピード性とターン性能に優れ、どのボードよりも簡単に扱えるコンペティションボードです。
ただし、余分なボリュームを持たないため、初めて使用する方には、幅を1/4インチ、厚さを1/8インチほど大きめにオーダーすることをお勧めします。
これにより、このボードの特性を最大限に引き出し、理想的なパフォーマンスを実感できるでしょう。

試合で上位を目指すサーファーにとって、このボードは新たな武器となるはずです。ぜひ一度お試しください。

チャンネルボトムとの相性も良い

5’8″ (173cm) 18 3/4″ (47.6cm)
19″ (48.3cm)
2 1/4″ (5.72cm)
2 5/16″ (5.87cm)
25.0L
26.1L
5’10” (178cm) 19″ (48.3cm)
19 1/4″ (48.9cm)
2 5/16″ (5.87cm)
2 3/8″ (6.03cm)
26.9L
27.9L
6’0″ (183cm) 19 1/4″ (48.9cm)
19 1/2″ (49.5cm)
2 3/8″ (6.03cm)
2 7/16″ (6.19cm)
28.7L
29.8L

 

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MAGIC BOARD

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マジックボードとは?

「マジックボード」という言葉をご存じでしょうか?
それは、あるサーファーにとって特別に調子が良く、まるで魔法のように感じられるサーフボードのことです。

たとえば、小さなボードなのに驚くほどテイクオフが速かったり、大きな波でも小さな波でも、これ一本であらゆるコンディションに対応できたりする。
――そんな理想的なボードを、私たちは「マジックボード」と呼びます。
まるで自分の体の一部のように素早く動き、瞬時に反応してくれるボードこそが、まさにマジックボードなのです。

サーフボードの性能は、アウトライン、ロッカー、ボリューム、レールフォイルなど、細かな要素の組み合わせによって決まります。
しかし、そのボードが本当に「調子が良い」と感じられるかどうかは、何よりも自分との相性が重要です。

サーフボードには、車のようにアクセルを踏めば進むエンジンはありません。
スピードをつけるには、体重移動を繰り返しながら波のパワーゾーンにボードを維持し続ける必要があります。
さらに、すべてのマニューバーは、そのスピードを保ちつつ、自分の体・ボード・波との絶妙なバランスの上で成り立っています。
そして、それらの動作をいちいち考える余裕はなく、無意識に行うことが求められます。

こうしたことを踏まえると、最高のサーフボードとは、自分の体重や体型、ライディングスタイルにぴったり合ったものだということがわかります。
そして、その「ぴったり合う」ボードこそが、あなたにとってのマジックボードなのです。

 

マジックボードとの出会い

マジックボードは、プロや上級者だけが手にする特別なものではありません。
すでに何年かサーフィンを続けている人なら、「これは調子が良かった」と感じたボードが一つや二つあるはずです。

マジックボードに出会うと、サーフィンの世界が一変します。
今までとはまったく違う感覚が生まれ、同じ波でも何倍も楽しく感じられるようになります。
そんな夢のようなボードが、実際に存在するのです。

しかし、面白いことに、そのマジックボードが誰にとっても最高のボードとは限りません。
ある人にとって完璧なボードが、別の人にはフィットしないこともあります。
つまり、マジックボードとは「その人にとって特別な一本」であり、それぞれのサーファーに最適なボードが存在するのです。

もしかすると、偶然にも自分にぴったりのボードに出会うかもしれません。
あるいは、少しずつ調整を加えながら、最終的に理想のボードにたどり着くかもしれません。
どちらにせよ、マジックボードに出会うことで、サーフィンの楽しさは格段に広がります。

私は、お客様から「今度のボード、調子が良い!」と言われることが何よりの喜びです。
そして、あなたのマジックボードをシェイプするために、この仕事を続けています。

OGM “ogama” 小川昌男

 

 

 

 

HAND SHAPE

ハンドシェイプの魅力と本質

ハンドシェイプでは、シェイパーがあなたのサーフィンスタイルやレベルを理解し、要望に合わせて最適なサーフボードを形にします。
重要なのは、あなたに必要な性能やコンセプトがボードのフォルムにしっかりと反映されていることです。

ハンドシェイプの最大の利点は、シェイプされるボードが目の前にあること。
シェープルームでフォームにアウトラインを描き、実際に切り出すことで、サーフボードのサイズやイメージを実感できます。
目の前のボードから得られる情報の質と量は、マシンシェイプのモニター上のデータとは比べものになりません。

一般的に、ハンドシェイプの欠点は再現性がないことだと言われます。
同じボードを完全に再現することは難しいかもしれません。
しかし、シェイプは発見と驚きの連続であり、常に進化しています。
そのため、これまで過去に削ったボードと全く同じものを作る必要に迫られたことは一度もありません。
むしろ、新しいデザインやコンセプトは、ほとんどがシェイプルームの中で、シェイプ中にふとした瞬間に生まれています。
実際に手を動かし、フォームに触れることで初めて見えてくるものがあり、それが次のシェイプにつながっていくのです。

サーフボードは、さまざまな曲線の組み合わせによって生まれます。
曲線が面を作り、面が立体となることで、ボードは3次元の形状を持つようになります。
アウトラインが平面に描かれ、ロッカーが加わり、デッキのカーブやレールが形成されることで、サーフボードは完成へと向かいます。
ハンドシェイプでは、この過程の中で、2次元では捉えきれなかった3次元的なひずみを発見し、調整することが可能です。

マシンシェイプにも3Dシミュレーションソフトが組み込まれていますが、現時点ではその精度は十分ではありません。
解像度の高い大型スクリーンを用いたとしても、モニター上だけで優れたサーフボードを完成させるのは極めて困難な作業です。

サーフボードの性能は、アウトライン、ロッカー、ボリューム、レールフォイルなどの微妙なバランスによって決まります。
全体の調和やラインのつながりを意識しながら、アウトライン、ロッカー、ボリューム配分、コンケーブの位置や深さなど、必要とされる性能をシェイプに落とし込んでいきます。

ハンドシェイプは直感的であり、そのデザインの根拠はすべてあなたのサーフィンのイメージに基づいています。
しかし、それを「魂」や「ソウル」といった曖昧な言葉で説明するつもりはありません。
サーフボードが機能するのは、物理学によるもの。
そして、根幹となるのは「ソウル」ではなく「コンセプト」です。

ハンドシェイプは、一本一本の完成度を徹底的に追求するシェイプ手法。
こうして生まれたサーフボードは、おそらく二度と同じものを削り出すことはできません。
しかし、それこそが、世界に一本しかない、あなただけの特別で快適なサーフボードなのです。

 

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